魅惑的なキスの魔法

(日生水貴/あさとえいり/角川ルビー文庫)


田舎育ちで元気が取り柄の遠藤天志は、世界的な写真家である父の薦めで都内の服飾専門学校へ進学することに。早速学校見学に行くと、そこで行われていた野外ファッションショーのリハーサルで、なんと憧れのモデル・葛城京に遭遇。あまりの格好良さにうっとり見とれていると、何故か天志を見つめる京に舞台へと引っ張られキスされそうになってしまう。とっさに京の顔をひっぱたいて逃げた天志だけど、その後、何故か京の付き人に指名されて…!?


 寝る前に読もうと思いつつ、途中でうっかり寝てしまったので2日かけて読了。設定はおもしろいと思うが、ストーリー的にかなり消化不良。BLの恋愛部分だけをなんとか終わらせた感じで、その他諸々が放置プレイ。美味しい伏線とか伏線とか伏線とかあったんだけど!? …とツッコみたい部分はほぼスルー。…つづくのか?つづくんだよね!? …と叫びたい位のモヤッと感は近年稀に見る感覚かも。辛口テイストでGO!!

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秘書とシュレディンガーの猫

(榎田尤利/志水ゆき/シャイノベルズ)


シュレディンガーを正しく指摘したひとりに全財産を相続させる・・・。亡き祖父の遺言を聞くため古い屋敷を訪ねた舘を待っていたのは、風変わりな猫探しの遺言と初めて会う従兄弟、それに祖父の美しい個人秘書 雨宮だった。金と権力を信じる舘は遺言の内容にうんざりしながらも屋敷に滞在することを決める。一方、雨宮は初めて会ったときから舘のことが嫌いだった。それなのに、舘の挑発に乗ってしまい・・・!?


 読後に「ペット・ラバーズ」というシリーズ物と気づいた。…が、知らなくても1冊完結なので、問題なく謎解きを楽しめる。いつもながら榎田尤利さんのアイデアに驚かされつつ楽しく読み終えたので大満足。今回も捻りと皮肉の効いた構成で、、、、何しろ毬岡老の猫の名前がすべて科学者名なのだ。メンデル、パスカル、ハイゼンベルグ、梅太郎、譲吉、シュレディンガー。穿ちすぎかもしれないが、この科学者名から本編の内容が推測できそうな気も。…あくまで推測だけどね。

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恋人は悪徳商人!?

(岡野麻里安/穂波ゆきね/講談社X文庫)


高校1年生になったばかりの美少年・八雲泉(やくも・いずみ)は不運体質で貧乏籤(くじ)ばかり引いている。ある日、泉はとんでもない事件に巻きこまれ、高額の借金を背負ってしまう。 新宿二丁目のゲイバーに売り飛ばされ、逃げだした泉が偶然飛びこんだのは、絆と妖(あやかし)のお金を交換するという不思議な両替商『玉屋』。その社長で美貌の青年・諏訪雪彦(すわ・ゆきひこ)との出会いが泉の運命を大きく変えることになる!


 ああ、また始まってしまった…。というのが読了後の正直な感想。岡野麻里安さんの本は好きなのに、ホワイトハートのシリーズは最後までつきあえたことがない。何しろ、あとがきで「4巻で終わる予定」とか書いてても、某シリーズは出版社の都合とかで10冊つづいたのだ。しかも、連載コミックのごとくのエピソード引き延ばし術で巻数増された日には、途中ブチ切れて買わなくなっても仕方ないだろう。読みたくなる本を書ける作家さんなのに、残念な記憶しかないのは出版社の責任だと思う。貸してくれた友人には悪いが、借りて読むくらいがちょうど良い感じ。

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硝子の騎士 アーサーズ・ガーディアン

(Unit Vanilla/蓮川愛/シャイノベルズ)


素直で眼鏡が大好きな大学生・柚木双葉は、父の知人を日本へ案内するため、留学先のパリで空港で向かっていた。どんな人が来るんだろう?緊張する双葉の前に現れたのは、眼鏡のよく似合う美貌の男・高嶺だった。日本へ向かうプライベートジェットに乗った双葉だったが、目を覚ましたとき、そこは三方に崖に、もう一方を海に囲まれた屋敷の一室だった!逃げだすことのできない空間で高嶺と双葉、ふたりきりの生活が始るのだが・・・


 タイトルとイラストで買ってしまった1冊だが、読み終えてひとつ疑問が。これは誰が書いているのか!? 共同執筆とはいってもメイン執筆者がいるはずなんだけどなあ。実のところ、Unit Vanillaが作家4人組と知って放置していたのは、その昔、同じテーマで違う作家が 凶作 競作したBL文庫本を幾つか知っているから。こんな風に表紙の連名を見ると悪寒という名の予感が走るのだ。…これをトラウマという…。本編は、お金持ち御曹司系BLだったので順当な感じのストーリー。設定が派手な映画のダイジェストという雰囲気なので、先入観無く読めば楽しめるかも。ネタバレOK?

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駆け引きはキスのあとで

(今泉まさ子/タクミユウ/アルルノベルズ)


端整な美貌の弁護士・宝生漣は仕事で訪れたホストクラブで、オーナーの王嶋と出会った。他者を圧倒する傲慢なまでの存在感に、初めこそよい印象を抱かなかった漣だが、その手腕を王嶋に買われ顧問契約を交わすことに。嘘とも真ともつかない甘い言葉を囁きながら何かと漣に構う王嶋。その戯れるように触れてくる指先にもいつのまにか漣は慣れていき―。しかし些細な行き違いから、王嶋に餓えた獣のように唇を奪われ、押し倒されてしまい。


 読んでみたい本リストに入れたはいいが、なかなか入手の機会が訪れずに1年半経過。ストーリー展開、キャラ設定のどれをとってもBLの王道というべき1冊に満足した。大衆小説としての条件が備わっているというか、登場人物の嫌な部分は隠され、程良くラブで程良く予想を裏切る展開。読んでいて安定感があり、ちょっとしたドラマを見た感覚である。こういう本は読後感が良い割に記憶に残らないが、大人が読む少女小説のようなところがあるので、普通のBLが読みたい方にオススメ。

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