人形の爪 眠る探偵(1)
人形の爪 眠る探偵(Ⅰ) (榎田尤利/石原理/ホワイトハート)
東京都新宿区大久保、雑居ビルの4階に、美貌の眠る探偵・市羅木真音が働く市羅木探偵事務所はある。社員は探偵とその異父弟・不破隆、それに探偵の14歳になる娘・笑子が中心という、家族経営の良心的かつ小さな事務所だ。そこに、ある日、ひとりの女子高生がやってきた。母親から人形扱いされている弟を何とかして欲しい、と。それが悪夢の始まりだった!
なんかデジャヴ… と思っていたら案の定文庫での再版だった。続編かと一瞬期待しちゃったよ…。同じ話のリニューアル版ね。ふむふむ。前回はピアスノベルだったかな。結構厚い本で今回の文庫よりもレーベル的にエロい大人っぽい雰囲気だったような記憶が。そしてどうでもいいことだが、オークションに出したら台湾の人が買っていった記憶も(読めたんだろうか)。お話的には、大筋は同じだが微妙に印象が異なる。これは「あとがき」にも書かれている通り大幅に加筆修正されたからだろう。最近は近刊でも文庫で再販されたりするので、ちょっと思いがけない再会をすることが多い。もちろんこの本もその1冊。榎田さんは最近ファンタジーを書かれているので加筆された部分にその印象が伺える…というか、はっきりわかる部分も2、3あった(ということで)。
他人の夢を見てしまう探偵・市羅木真音。傍迷惑この上ない彼に「兄弟だから」という理由で同衾させられる不破の心情は、このままソッチの道標に従ってしまうのかとハラハラさせられる。読者の心を掴んで離さない展開?(笑) 榎田さんの最近の著作全てに言えることだが、この本もシリーズの真ん中から読み始めたような錯覚に陥る。作家が作り上げた『眠る探偵』の時間軸の中ほどに割って入ったような気分なのだ。だから謎が多いし、過去も未来も1冊ではとても追いきれない。この先、シリーズ化すれば1冊出版されるごとに事件解決と探偵の過去や例のストーカーとの絡みがわかるという仕組みなのだろう。実際問題、ホワイトハートのこういう展開の仕方が透けて見えると商業的であざといと思ってしまうのだが。。。
そういえば、最近書店のレジで『もえるるぶ』なる本が飾ってあるのを見かけた。その日の夕方、タイムリーに『萌え市場888億円』というニュースも流れていて、本当に日本は不況なのかとちょっと疑ってしまった。それにしても『もえるるぶ』。Chapter-1 趣都・アキハバラ Chapter-2 混沌の副趣都・シンジュク Chapter-3 同人界西の砦・イケブクロ …とつづくらしいが、本当に使える本なのだろうか。読んでみたいようなみたくないような。ヲタクというのはひっそり生息するからヲタクなのだと思っていたが、市場価値が見出せれば最早何でもいいのか。
そういえば来月あたり和泉桂さんの『罪』シリーズがまたもや文庫で再販されるらしい。最初は良かったけど、最近文庫化が速すぎる(と思いませんか?)。文庫化する時に加筆修正が入るでしょ? これ、やりすぎると新書で出した新刊が完成原稿じゃないと思われてしまう。コレクターは嬉しいだろうが、個人的には買うタイミングを迷ってしまうような気が…。
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