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2009.02.27

恋人は悪徳商人!?

(岡野麻里安/穂波ゆきね/講談社X文庫)


高校1年生になったばかりの美少年・八雲泉(やくも・いずみ)は不運体質で貧乏籤(くじ)ばかり引いている。ある日、泉はとんでもない事件に巻きこまれ、高額の借金を背負ってしまう。 新宿二丁目のゲイバーに売り飛ばされ、逃げだした泉が偶然飛びこんだのは、絆と妖(あやかし)のお金を交換するという不思議な両替商『玉屋』。その社長で美貌の青年・諏訪雪彦(すわ・ゆきひこ)との出会いが泉の運命を大きく変えることになる!


 ああ、また始まってしまった…。というのが読了後の正直な感想。岡野麻里安さんの本は好きなのに、ホワイトハートのシリーズは最後までつきあえたことがない。何しろ、あとがきで「4巻で終わる予定」とか書いてても、某シリーズは出版社の都合とかで10冊つづいたのだ。しかも、連載コミックのごとくのエピソード引き延ばし術で巻数増された日には、途中ブチ切れて買わなくなっても仕方ないだろう。読みたくなる本を書ける作家さんなのに、残念な記憶しかないのは出版社の責任だと思う。貸してくれた友人には悪いが、借りて読むくらいがちょうど良い感じ。

 ぶっちゃけ、岡野麻里安さんの本はワンパターンなのだ。特殊能力を持つ主人公♂と何らかの異能をもつお相手♂の恋話BL。しかもよくある展開によくある設定。敵役も予想通りなキャラばかりなんだから、恋愛成就したら完結して欲しい。コミックスじゃあるまいし、ダラダラと何巻も続けられては困ってしまう。…ふと気づいたが、これって小学館とか集英社(本体は同じか…)から出してる少女文庫のやり方だなあ。ホワイトハートは小野不由美さんのようなベストセラー作家を輩出してる文庫なのに、どうしたことなのか。


 サラッとストーリーを読めば、高額の借金を背負った男子高校生・八雲泉が貞操の危機に助けてくれた「玉屋」の社長に助けてもらってちょっと不思議な世界を垣間見て自分の特異体質を知り何か事件が起こって泉が誘拐されたりして自分の気持ちに気づいた諏訪が事件を解決した後で家族も人間界に戻り円満カップリング(一気棒読み推奨)。…という、多分何冊もこの手の本を読んでいる人ならザックリ推測できる道筋が見えてくる。外れていれば嬉しいが、この手の本に限ってあまりそういうことはない(キッパリ)。じゃあ読むなよ、と言われそうだが、「読んでみたい」と思わせる設定に安定感のある文章力、穂波ゆきねさんのイラストと来たら買わなくとも手に取らずにはいられないのだ。


 しかし、著者のブログを読むと本書は「担当さんの力作」とあり「私もちょっとお手伝いしました」とある。これって冗談だとしても笑えない。個人的にはこの著者、編集担当の描いた企画をそのまま受けて書いているのではないか、と疑っている。こうしたい、というものはなく、自分の中にあるテンプレートに定型文を流し込んで、設定に合わせて詳細を変更していると考えれば納得できる。プログラマーとクリエイターの違いのようなモノで、表現者としてはアレだけれど、職業作家としてはやっていけるよね。これは作家を育ててきた出版社や担当者の傲慢だなあ。


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コメント

岡野さんの新作、もう読まれたんですね。風水シリーズの頃は全巻読んでましたが、少年花嫁にいたっては最初と最後のみ。でもなぜかスルー出来ないんですよね。この作家さんについて思うこと、まさに代弁していただいたって感じです!
ところでご紹介頂いた「明日のために靴を磨こう」は初めて知りました。すごく気になるので探してみます~。

投稿: まぴ | 2009.02.27 09:47

おおっ!まぴさん、こんにちは!


そうなんですよね。
ワンパターンとわかっちゃいるけど、新刊をなぜかスルーできないんですよ~…(^-^;


岡野麻里安さんについては、多分同じように思っている読者が多いと思います。この方法は、出版業界の一種のビジネスモデルなのかな…とも思うんですが、一定数売れるから同じ手法をとり続けるっていうのは、読者をバカにしてるというか傲慢だなあと。

出版社を嫌悪しつつも読んでしまうのは、岡野さんの文章力故でしょうね。一度別のレーベルにチャレンジされたら良いのに…と思ったりします。


さて、「明日のために靴を磨こう」の時代のラキアはおもしろいものが多いですよ~(゚▽゚*)
七地寧さんの「英のなまえ」や、あまねこうたろうさんの「イミテーションの夏」、しんがいわかこさんの「愛で縛ってね」、神奈木智さんの「お月様」シリーズもこの時代だったんじゃないでしょうか。

10年位経っているので、どれも入手困難ですが、文庫落ちしていなければ探して読む価値はあると思うので、ぜひ!


まぴさんの記事を読んでいると初心に帰れます。や、本が古いだけじゃなくて(汗)、すんなりと心に入ってくる言葉なんですよね。

コメントありがとうございました。
これからもよろしくお願いしますっ!(*゚▽゚)ノ

投稿: 椋木 | 2009.02.27 21:09

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