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2009.02.28

秘書とシュレディンガーの猫

(榎田尤利/志水ゆき/シャイノベルズ)


シュレディンガーを正しく指摘したひとりに全財産を相続させる・・・。亡き祖父の遺言を聞くため古い屋敷を訪ねた舘を待っていたのは、風変わりな猫探しの遺言と初めて会う従兄弟、それに祖父の美しい個人秘書 雨宮だった。金と権力を信じる舘は遺言の内容にうんざりしながらも屋敷に滞在することを決める。一方、雨宮は初めて会ったときから舘のことが嫌いだった。それなのに、舘の挑発に乗ってしまい・・・!?


 読後に「ペット・ラバーズ」というシリーズ物と気づいた。…が、知らなくても1冊完結なので、問題なく謎解きを楽しめる。いつもながら榎田尤利さんのアイデアに驚かされつつ楽しく読み終えたので大満足。今回も捻りと皮肉の効いた構成で、、、、何しろ毬岡老の猫の名前がすべて科学者名なのだ。メンデル、パスカル、ハイゼンベルグ、梅太郎、譲吉、シュレディンガー。穿ちすぎかもしれないが、この科学者名から本編の内容が推測できそうな気も。…あくまで推測だけどね。

 猫探し、という単純明快なテーマにも関わらず、どこか複雑で静謐な雰囲気なのは、志水ゆきさんのイラストだからか。ストーリー導入が毬岡老の財産争いという人間の欲に絡むところなので、生々しい争いが始まるのかと思いきや、相続人達が毬岡老の館に滞在して日記を解読し、シュレディンガーを探す日々の中で、偏屈で孤独だった毬岡老を見送るように静かに理解が進んでいく。登場人物を通した認識の再構成は小説ではよくとられる手法だが、このちょっとしたテクがミステリっぽい雰囲気を作り出しているんだなあ、と感心した。


 相続財産を狙うというストーリーがコインの表なら、猫を探して日記を解読するのはコインの裏。罪悪感を天秤に乗せて毬岡老が相続人を試しているような感じすらするのは、誰がシュレディンガーにふさわしいか見極める方法だったのだろうか。舘が一人答えに辿りついたのは主人公の特権だが、無欲の勝利と言っても良いかも。猫が苦手な舘が小さな(?)猫の行動に一喜一憂するエピソードにホッとしながらも、BLらしくないがBLとしかジャンル分けできない本に苦笑いしか浮かばなかった。


 あとがきで『「PetLovers」シリーズも三作目となり』とあって、ようやっと仁摩の存在に納得した訳だが、犬→ライオン→猫 と続いているようなので、近いうちに前作も読んでみたいと思っている。しかし表紙の舘は猫に囲まれて平気そうな顔をしているが、あまりのことに動けないだけなのではないだろうか(笑) 雨宮の腰に手が回っているのは独占欲というより、命綱のようなものか…!(笑)竜子のように譲吉に心奪われたのは私だけではないはず。譲吉とふれあえる舘が羨ましい限りなのである。


 ああ、楽しかった…!


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コメント

椋木さん、こんばんは! お久しぶりです♪

榎田さん、さすがに上手いですよね~。
「ペット・ラバーズ」シリーズは、最初の犬が一番好きな私ですw
どれも楽しいので、1作目からぜひぜひどうぞ!
そして、また感想を聞かせて下さいね!

個人的にはオーナーに心奪われているので、
次作を非常に心待ちにしています。 (^^)

にしても。
表紙の舘へのコメントに爆笑しましたww
命綱・・・! 確かに!!(笑)

投稿: 桃香 | 2009.03.01 22:58

桃香さん、こんにちは~!

ちょっと世間とタイムラグがありましたが「ペット・ラバーズ猫編」おもしろかったです~。桃香さんオススメの犬編も楽しみ♪


いや、それにしても。
表紙のイラストは見る度に爆笑ですよ! 譲吉が舘の膝の上にドシーッと乗っかってるじゃありませんか!? スーツを登ろうとするチビは止められても、その他の猫たちは止められなかったのだろう舘の右手に、笑いの涙が止まりません(爆)

まさに榎田マジック。


オーナーにヤられたらしい桃香さんの感想も見たいので、早速ブログに遊びに行きますね!

コメントありがとうございました~!
良い萌えを~☆(ヲイ)

投稿: 椋木 | 2009.03.02 05:26

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