幸運の理髪師
(長門サイチ/キャラコミックス)
地味で冴えない青年・司が、あっという間に人気俳優に大変身!したてたのは、美貌の腕利き理容師・那智。一目惚れの初恋に、超奥手の司は告白もできない。足繁く店に通っては、献身的なお手伝いが精一杯。そんな司の前に、那智の元カレが現れて―――!?
こちらも書店員オススメポップで購入。
ストーリー自体は、年上の主人公が冴えない高校生を自分好みに育てる様子を描いていて、設定も理髪師と俳優で、BLでは割とよくある展開。それにしても絵を見る限り、丁寧な仕事をする作家さんだなあと感心した。ギャグっぽいコマは頭身が縮むのだが、細部も丁寧に書き込まれていて、何だか本編とは関係ないところで感心してしまった。でも書き込みすぎかといえば、そうでもないところが上手い。絵は水名瀬雅良さん系だろうか。どちらかというと恋愛よりほのぼの路線だが、続編が出るなら読んでみたいと思わせる1冊だった。
タイトルが「幸運の理髪師」なので、攻めキャラ・司にとって幸運を運んだのが那智なのだろう。出会いの時点で司は高校生なので、遠慮がちな、、、でも若さ故の暴走(笑)が楽しく描かれている。結局、司は俳優という職業に就いたけれど、どこかでネクラだった以前の自分を抱えていて、華やかな世界にいるからこそ、以前の自分をまるごと受け入れてくれる那智に惹かれるのかもしれない。三つ子の魂百まで、、、というか、人間の本質はそうそう変えられないんだなあ。経験豊富そうな那智も、ストレートな司の言葉にハッとさせられたりして、客商売だからこそ見失うことも多いのかな…と少し考えさせられた。
ところで、この本の理髪師は理容師のことだろう。確か美容師とは資格が違うハズ。ストーリーで常連のじいさん達がほぼ毎日訪れているのを見ると床屋というより喫茶店ぽい…むしろカットもできるカフェの方が良かったのでは…!(激しく妄想) 元カレがスタイリスト…というか、美容師系で接点があるのか不思議だったが、ああ見えて元カレも床屋なのか!? しかも元カレ、もうちょっと出番があっても…と思ったが、司を動揺させるためだけに現れた彼は瞬殺だった…。当て馬の後輩もしかり。現実問題として、最近は理容師もなり手がいなくて大変らしい。…というのは床屋の店主のリアル発言。
じいさん達のナイスフォローが良い味出してた。
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