恋の行方は天気図で
(うえだ真由/橋本あおい/ディアプラス文庫)
お天気キャスターの柚生は、帰省中に倒れ運ばれた先の病院で、高校の頃の親友、知明と再会する。それは、卒業以来連絡を絶ち、忘れようと努めた片想いの相手でもあった。ストレスで胃を壊し、そのまま実家で療養することになった柚生は、早く東京に戻らなくてはと焦る一方で、再び近づいた知明との距離を心地よく感じ、恋心を再燃させていく。
そしてどうやら、想いは一方通行ではないようで……?
可愛い話。
気象予報士というのが難しい試験だというのは聞いていたが、本文中で合格率4%と知り、そんなに難しい試験だったのかと開眼。そんな国家試験に高校生ながら合格し、大学生で「お天気お兄さん」になり、就職先もお天気キャスター…というお天気づくしのストーリー。うえだ真由さんらしい等身大のキャラ設定で、優しく温かい物語にラストまで辿り着くのはアっという間。全体を通して主人公の柚生(ゆい)が自分のやりたいことに気づいて成長していくのがとても好ましく読んでいける。いつも思うが、うえだ真由さんの本は主人公達と泣いたり笑ったりできる心の安定剤である。誰もが持っている抽象的な悩みを描くのが上手い作家さんだと感心してしまう。温かい話を読みたくなった時にオススメの1冊。
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