あ行

2009.09.02

王様な猫

(秋月こお/かすみ涼和/キャラ文庫)


大学生の星川光魚は、なぜか動物に好かれる体質。そこで、その特技を活かし、住み込みで猫の世話係をすることに。ところがバイト先にいたのは、ヒョウと見紛う大きさの黒猫が三匹。しかも人間の言葉がわかるのだ。驚く光魚に、一番年下のシータは妙になついて甘えてくる。その上、その家の孫らしい怪しげな美青年達も入れ替わり立ち替わり現れ、光魚を誘惑してきて。


 再購入・再読。


 最近の猫ブームを見ていて、ふと読みたくなったので再読。シリーズは5巻完結で、各巻のタイトルは「王様な猫」「王様な猫のしつけ方」「王様な猫の陰謀と純愛」「王様な猫と調教師」「王様な猫の戴冠」となる。著者の秋月さんの筆がまだ定まっていなかったのか、富士見シリーズと被るようなキャラの発言なども見られるが、魅力的な本であることは確か。秋月さんの猫好き×ファンタジー好き×ホモ好きが炸裂している模様。個人的には白猫・シグマがお気に入り。大きくても小さくても、猫が好きな人にオススメ本。

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2009.02.27

恋人は悪徳商人!?

(岡野麻里安/穂波ゆきね/講談社X文庫)


高校1年生になったばかりの美少年・八雲泉(やくも・いずみ)は不運体質で貧乏籤(くじ)ばかり引いている。ある日、泉はとんでもない事件に巻きこまれ、高額の借金を背負ってしまう。 新宿二丁目のゲイバーに売り飛ばされ、逃げだした泉が偶然飛びこんだのは、絆と妖(あやかし)のお金を交換するという不思議な両替商『玉屋』。その社長で美貌の青年・諏訪雪彦(すわ・ゆきひこ)との出会いが泉の運命を大きく変えることになる!


 ああ、また始まってしまった…。というのが読了後の正直な感想。岡野麻里安さんの本は好きなのに、ホワイトハートのシリーズは最後までつきあえたことがない。何しろ、あとがきで「4巻で終わる予定」とか書いてても、某シリーズは出版社の都合とかで10冊つづいたのだ。しかも、連載コミックのごとくのエピソード引き延ばし術で巻数増された日には、途中ブチ切れて買わなくなっても仕方ないだろう。読みたくなる本を書ける作家さんなのに、残念な記憶しかないのは出版社の責任だと思う。貸してくれた友人には悪いが、借りて読むくらいがちょうど良い感じ。

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2009.02.22

駆け引きはキスのあとで

(今泉まさ子/タクミユウ/アルルノベルズ)


端整な美貌の弁護士・宝生漣は仕事で訪れたホストクラブで、オーナーの王嶋と出会った。他者を圧倒する傲慢なまでの存在感に、初めこそよい印象を抱かなかった漣だが、その手腕を王嶋に買われ顧問契約を交わすことに。嘘とも真ともつかない甘い言葉を囁きながら何かと漣に構う王嶋。その戯れるように触れてくる指先にもいつのまにか漣は慣れていき―。しかし些細な行き違いから、王嶋に餓えた獣のように唇を奪われ、押し倒されてしまい。


 読んでみたい本リストに入れたはいいが、なかなか入手の機会が訪れずに1年半経過。ストーリー展開、キャラ設定のどれをとってもBLの王道というべき1冊に満足した。大衆小説としての条件が備わっているというか、登場人物の嫌な部分は隠され、程良くラブで程良く予想を裏切る展開。読んでいて安定感があり、ちょっとしたドラマを見た感覚である。こういう本は読後感が良い割に記憶に残らないが、大人が読む少女小説のようなところがあるので、普通のBLが読みたい方にオススメ。

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2008.08.26

リーチ

(いおかいつき/佐々木久美子/シャレード文庫)


漫画家の一本木陸人は、名うての代打ち・真木荘介の噂を聞き、次作取材のため『鳳』という雀荘で一番いい男との情報を頼りに真木を探すことに。はたして、真木は想像以上に目を惹く容姿と実力で、陸人の創作意欲を掻きたてる人物だった。しかし、当の本人は取材に非協力的で、連日雀荘に通うもののいっこうに仕事は進まない。
それでも真木を諦めきれない陸人に、彼が出した条件は、「質問に俺が一つ答えるたびに、お前を触らせろ」というもので――。


 この本、注文時の仮タイトルが「ヤクザと代打ち」というものだったので、裏社会のハードな内容を期待して読み始めたが、ちょっと肩すかし。実際は、漫画家と代打ちの恋話だった。サクサクッと読み終えられるし、読後感も悪くなかったが、タイトルにちょっと違和感が残ったかなぁ。これは麻雀師を描ききれなかった作者の未練なのか…。

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2008.06.14

本日ひより日和

(五百香ノエル/一之瀬綾子/ディアプラス文庫)

金茶色の髪をライオンみたいにキラキラなびかせる美しい少年。虎鉄は生まれついての王様のように横暴で、誰も彼も虜にしてしまう。そんな虎鉄が自分から気をひきたいと思うのは、清楚で可愛くて中身はちっとも可愛くないひよりだけ。けれど衝突ばかりの二人がようやく親友になれた十三歳の冬、ひよりは一人、孤独とバイオリンを抱いて虎鉄から離れようとして……? 


久しぶりに再読。

 何度読んでも、「虎鉄はひよりがいなくなったらダメになる」と思うわけで、でも、そこがこの話のキモだから、楽しくダメになった虎鉄を読み返している(笑) 印象的なシーンは幾つかあるが、挿絵の入っている子ども時代のレッスンシーンもそのひとつ。ここで初めてひよりは虎鉄の伴奏で心を自由に解放する楽しさを知り、いじめっ子の別の一面を見いだすのだけれど、ストーリー自体は子どもな彼らの未熟さや残酷さが書き込まれていて微笑ましくも痛ましい。すれ違ってダメになって、それでも手放せなくて…という一筋縄ではいかない恋愛模様。個人的には好きな1冊。

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2008.06.01

独裁者の恋

(岩本薫/蓮川愛/角川ルビー文庫)

天涯孤独の水瀬祐は映画関係の仕事に就くことを夢見る専門学校生。
ある日、バイト先の紹介で世界的に有名な映画監督の孫であるサイモン・ロイドの通訳をすることになる。ところがサイモンは、初対面から祐にきつい命令口調で無理難題を押しつける横暴な雇い主だった。
それでも必死で頑張る祐だったが、ふとしたことからサイモンに侮辱され、思わず「大嫌い」と叫んでしまう。
そんな祐に突然サイモンがキスをしてきて…!?
何よりも甘い命令口調の唇で囁くこの恋――。


「ロッセリーニ家の息子」シリーズのリンク作。

岩本薫さんの初ルビー文庫ということで著者買いした。…とはいうものの、「ロッセリーニ家の息子」を読んでいないので、読み始めた当初は「?」の嵐だった。あとがきに「本編単独でも楽しめるように留意してあります」とあるが、いっそ「ロッセリーニ」関係の話は一切せず、ラストで総支配人を含む人間関係解説編の短編を入れるくらいの方が良かったのでは(キッパリ)。なんだか冒頭に「ロッセリーニ家の息子」の宣伝が入っているようで読みにくさ爆発なのだ。

それでも記事を書いてしまうのは、ストーリー自体がおもしろく、ここ数日で読んだBLの中で一番印象に残ったからだ。おもしろいからこそ、単行本からのスピンオフだと文章中で説明して欲しくなかった。バックグラウンドの説明無く知らない名前や人間関係を当然のように語られても話が通じない。これを商業誌でやられると、すごい疎外感なんだよなぁ。

まぁ、「ロッセリーニ家の息子」シリーズを読んでいる人なら倍楽しめる仕様なのかもしれないが。残念。

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2008.05.28

魅惑的にエキサイティング

(あすか/海老原由里/リーフノベルズ)

ある特殊能力を使い、捜し物を見つける裏の仕事をする宏夢。今回は、依頼された物が豪華客船にいると聞き、乗り込んだはいいが…。そこに現れたのは、高級スーツを身に纒う鷹東と名乗る怪しげな男。鷹東は宏夢につきまとい、やたらとキザな台詞で口説いてくる。そしてどうやら捜し物は事件に巻き込まれたらしいのだが、鷹東は事情を知っているようなのだ。だがそんな時、鷹東が宏夢のもつ2つの顔に気がついた。事態は危険な方向へ…!?個性溢れるキャラたちのハイテンション・ラブストーリー。


中古本で再購入&再読。

届いた本の装丁を見てほんのり懐かしさを感じた。リーフはもうないんだなぁ…と思うと、今まで読んできたリーフノベルズ達(特にシリーズもの)が怒濤のように頭をよぎる。今回は著者の近刊を読んで「そういえば動物と話ができる本があったような…」と思い出して再読したくなったものだ。コメディ調で進むストーリーは記憶通り、アッという間に読み終わる。著者であるあすかさんのデビュー作にふさわしい勢いのある物語なので、ファンタジーが嫌いでなければオススメのシリーズ。


感想も「乱読日記。」を別ブログで始めた頃に書いていたと思うが、前ブログ自体を 証拠隠滅 削除したので改めてレビュー。

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2008.05.21

ソウルメイトでいこう!-鞠子の占い事件簿-

(小川いら/ひだかなみ/ビーズログ文庫)

夢は大きく一流デザイナー、でも現実は、期限切れのおにぎりを囓る赤貧の日々。田舎を出て東京の三流美大に通う鞠子は、ビンボーきわまる一人暮らしの家計を支えるため、毎晩街頭で占い家業に勤しんでいる。実は、鞠子は失せもの探し限定で、百発百中の霊能力を持っているのだ。その夜も商い中だった鞠子の前に現れたのは、そんじょそこらのアイドルなんか目じゃないような、とんでもない美少年で……? ハラハラドキドキ&ほんのりラブ。霊感女子美大生×ツンデレ美男子高校生コンビに大注目!!


著者買いしたらBLじゃなかった…というパターン。

小川いらさんといえばBLという思い込みは良くなかったのか。けれど、ノーマルであってもそのストーリーテラーぶりは健在で、おもしろくて楽しくて切ない話にホロリときてしまった。脇キャラでBLのような、、、展開があるが、知らない人はサラッとスルーだろう。まぁ、エンターブレインだしね。これは著者がBLを書いてると知ってる読者向けのサービスなのかも。

BLでなくてもおもしろい本が読みたい!という人にはオススメの一冊。

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2008.04.07

死神姫の再婚

(小野上明夜/岸田メル/B's-LOG文庫)

没落貴族の娘で14歳のアリシアは、後見人の叔父により家名が欲しい金持ちへ嫁がされるが、なんと結婚式の途中新郎が急死してしまう! この「事件」がもとで『死神姫』と呼ばれるようになってしまったアリシアに、再婚話が持ち上がった。相手は信仰貴族の成り上がり者でとかく噂のある〈強公爵〉ライセン。馬車に揺られて着いた先は、怪しい装飾を施された屋敷とライセンの愛人と主張するメイドのノーラ!?

おもしろかった!

…けれど、キャラ設定に関しては評価が分かれるような気がする。主人公のアリシアの性格が天然を通り越しそうな鈍感なので、そのギリギリのラインを読み手がウザいと思うか、おもしろいと思うかでこの本の評価が決まりそうだからだ。

天然のアリシアに処世術逞しいノーラをぶつけることで出てくる話の分岐点を、登場人物達がどのように捌いていくかを読んでいくのは、ある意味ゲームに近い感覚。しかし、主要な登場人物のハイテンション注意報発令中なので、意外と再婚夫のライセンが常識人だと気づく読者は冷静かもしれない。

ちなみに、この本もノーマルもの。恋愛描写はキスまでなので、特に恋愛を求めて本選びをしない時に手に取ると良いかもしれない。

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2007.02.23

その声が僕を動かす

(洸/奥貫亘/ガッシュ文庫)

「俺と一緒に帰ってほしい」初対面に等しい相手、尾崎哲也にいきなりそんなことを言ったのには訳がある。氷室右京はある理由から、他人の未来の危機がわかるのだ。同じ大学の水泳部ホープ・尾崎が事故で再起不能になるかもしれないと知った右京はとにかく尾崎の傍で、彼を守ろうと考えるが、あまりの不器用なやり方に全く相手にされない。それでも必死に尾崎を守ろうとするうちに、一見意地悪で冷たく見える尾崎の分かりにくい優しさに触れ、彼に惹かれ始めるが…。

これは続きがある話なのだろうか。

ストーリー的にはミステリーを交えた主人公・右京と尾崎の恋話となっている。もっとも、ミステリーと恋愛では、ミステリーの方に重点が置かれて描かれているので、イマイチ恋愛の部分がハッキリと伝わってこない。ラブシーンはあるものの、尾崎の真意もよくわからなかったし右京の感情が恋愛に向いたあたりで物語は収束したし。一番は、ラストが曖昧な終わり方をしていたことにある。彼らの行く末は読者の想像に任せる…的なこのラストはモヤッと感が残る。まぁ、同人誌発のこのストーリーは意外とこれで終わりなのかも知れない(とも考える)。…同人誌ってそういうものだから(?)

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2005.09.20

ホストなあいつ

(あさぎり夕(作画)/コバルト文庫)

わけあって叔父の世話になっている大学生、暁人。小説にはまったく興味が無いが、叔父が経営している小さな出版社のために、大物作家が執筆してくれたら……と考えていた。そんなときに知り合ったホストの京也。彼は有名女性作家のお気に入りだと言う。容姿には多少の自信があり、ちょっとした好奇心もあった暁人は、京也からホストの手練手管を教わって作家に取り入ろうと思ったのだが!?


ボーイズ仲間の友人Aからの押し貸され本。あさぎり夕さんの本を読むといつも思うのだが、ボーイズの典型設定がてんこ盛りでストーリー展開もコテコテ。まるで昼メロを見ているようなのに、レーベルはコバルト文庫なのだ(コレが)。一昔前のあさぎりさんのコミックスを読んで育った世代には複雑なものがあるだろうと推察。ご本人的には『あの頃から描きたかった』そうで、言われてみれば、あさぎり作品の定番ともいえるマドンナ的存在の主人公少女を外せば、残るは文武両道・やんちゃから秀才まで見目の良い野郎ばかり。…昨今のボーイズに限りなく近い…ような。しかしあのベッドシーン、コバルトで許されるのか…? と思ってしまうのは私だけか。。。

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2005.09.08

あんたはそれでも、スーツを脱がない

『あんたはそれでも、スーツを脱がない』   (石山春東/深井結己/ベリーノベルズ)

ゲイでもある父の友人宅に居候中の萩原暁は、W大理工学部の院生。暁は社会人研究員としてやってきた有賀浩一郎の班に所属する。有賀の優秀さは周囲の認めるところだったが、暁だけは彼が決して皆と馴染もうとしないことに気づく。「ひとのこころに土足で踏み込んで」――学会発表の論文締め切り間近に暁は有賀と諍いをし、研究室で強姦される。歩み寄りかけていた二人は決裂。指導者である有賀を失った暁は―――。


爽やかな後味。直感でボーイズの読後感ではないと思った1冊。だったらどのジャンルに近いのか…とイメージを追いかければ、どうやらライトノベルに近いような気が。要はボーイズの典型的恋愛色が薄く、主人公の暁や有賀の成長物語と読めなくも無い部分にその理由がありそうだ。後発レーベルが違う形のボーイズノベルを目指したのだとすれば、まぁまぁ成功? しかしなぁ、、、カップリング的に…ありえな…もごもご。朱に交わればってことなのかな、つまりは(汗)

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2005.06.17

炎と鏡の宴

『炎と鏡の宴 ―少年花嫁(3)―』   (岡野麻里安/穂波ゆきね/ホワイトハート)

忍の百日百夜の清めの儀式も、とうとう終盤に差しかかってきた。だが、香司との別れを考えると、それさえも素直に喜べない忍。そんな折、行方を晦ませていた香司の婚約者・蝶子が突然、御剣家に舞い戻り、忍の立場は危うくなる・・・。高慢な蝶子との諍い、香司との感情の行き違い、鏡野綾人の微妙な接近。さらには、百鬼夜行の騒ぎに乗じて、野望を抱く綾人の叔父・継彦が忍の生玉を狙うが!?


人気があるらしくもうちょっと巻数が増えるらしいのでとりあえず1冊レビュ。
全巻までのあらすじをちょこっと説明すれば、『少年だが少女に見える呪いをかけられた忍が、呪いを解く条件で、旧家でしかも特殊な能力を使って暗躍する御剣家の跡取り・香司の婚約者になりすますことに。御剣家に住み込み、百日百夜の清めの儀式を毎朝毎晩行っている忍だが、御剣家絡みで何度も危ない目にあうことに。その都度、香司に助けられるうちに互いに惹かれていく…。二人の気持ちは通じたのも束の間、物の怪の世界でも人間界に影響を及ぼすような大変なことが起こっていた…!?』という感じのストーリー展開。当初は穂波ゆきねさんのイラスト目当てだったが、なかなかストーリーもおもしろいので、つい新刊が出たら買ってしまうようになったシリーズなのだ。

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2005.05.17

傲慢な愛は台詞にのせて

(いおかいつき/紺野けい子/プラチナ文庫)

亮は、ずっと憧れていた人気俳優・大志の舞台脚本を書くことに。しかし、大志の強い視線に戸惑った様子が『誘ってる』と誤解され、濃厚なキスをされてしまった!! 「俺を煽った責任は取ってもらうぞ」さらに大志の手のひらで追い上げられ、亮は抵抗も忘れて快感に飲み込まれた。稽古が始まってからも、思わせぶりな笑みで腰を撫でる大志に、亮は顔を赤らめて俯くことしかできなくて……!?


イラスト買いの一冊。
著者の評価はまだ固まっていないので先入観無く、おもしろく読めた。何と言っても食わせ者は主人公のだろう。演出家の役どころそのままに、弟の恋の演出までしているような錯覚を覚えたが、そういう役どころなのだとスルー。できのいい兄弟で仲も良いなんて言うこと無いね。読み手としてはもうちょっと感情が拗れたり絡まったりした方が楽しいんだけど、まぁ、著者も書きにくかったのかもしれないし。…という訳で(え?)、両手に華ならぬ、強力な兄と恋人に挟まれた主人公の悲喜劇はこれからってところでストーリーは終了。うーん。やっぱり攻めキャラ・大志の押せ押せ感が強い話だったような…。

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2005.03.28

13年目のライバル

(岩本薫/Lee/キャラ文庫)

親友だと信じていた男に抱かれてしまった!! 過去にトラウマを持つエリート商社マン・夏目は、13年ぶりにその元凶・阿久津と再会!! なぜか同じ会社に就職した阿久津を避け続けてきたのに、なんと夏目率いるプロジェクトのサポート役に抜擢されたのだ。 同期なのに、社内外で一目置かれる阿久津。こいつにだけは負けたくない!! 屈辱に震える夏目だが、阿久津は強引に近付いてきて!?

久々の岩本薫さんの文庫はリーマン再会モノ。
本編は2本立て。1本目の『13年目のライバル』は夏目視点。2本目の『13年目のジェラシー』は阿久津視点で語られる。この話は、視点がどちらに変わっても違和感なく話が進むという点が不思議な感じ。キャラ視点というより第3者的にストーリーに参加しているような感覚だった。そんな停滞した感情を書く日常の中で時々パチッと火花が散る、というか、、、微弱電流がショートするような表現が出てくる。これが今回の岩本さんの筆の特徴で、そこここで散る刺激がキャラ達の感情を燃え上がらせる発火システムのように思えた。単にべたアマの恋話ではなくパチパチ弾ける刺激のある恋話は読んでいて実に楽しかった

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