(小塚佳哉/佐々成美/角川ルビー文庫)
友人が紹介してくれた女の子とデートするために、繁華街へやってきた高校生の今井理友。だが待ち合わせの場所にやって来たのは『ハルナ』という長身で美形の男だった。<br />友人にからかわれたと気づき理友は悔しがるが、榛名にまるで恋人のようにエスコートされ、別れ際にキスまでされてしまう。そして理友は名前の由来であり、亡き母の思い出の車、フィアット・リトモを見に行こうと約束するのだが――。
かわいいお話。ちょっと暗めの設定もあるにはあるが、すんなりお話の世界へ入っていけるあたり、さすが小塚佳哉さんだと思う。BLにありがちなシチュエーションやキャラ設定ではあるが、久しぶりにルビーを読んだ自分としてはとても楽しめた。ハッピーエンドでご都合主義。葛藤も矛盾もなく恋愛関係に突入したあと、予定調和の驚きがある。
…つまりは、ストレスなく読める1冊なのだ。
幸せな恋愛を楽しみたい分には良い本だと思う。
なんと言っても、今回の目玉は主人公の「名前」にあるだろうと思う。そして、その小道具をメインテーマに絡めて物語りすべてが進行していく。友人の悪戯から始まったはずの恋を、自然な形で本流へと合流させていくのは著者の筆力によるものだろう。
しかし年齢差その他を考えたら、ちょっと犯罪でしょ?と思わなくもないのだが…(佐々さんのイラストがまた可愛いのだ!)。
それに、恋愛には歳や性別は関係ないのだろうか。というBLを読んでいつも感じる疑問をここでも感じた。…ていうかさ恋は盲目ってのはわかってるけど、もうちょっと悩もうよ…。
現実では、ゲイやバイは少数者なのだ。BLを読んでいると、多数社会の価値観に存在しているからこそマイノリティの苦悩があるのだと忘れてしまいそうになる。BLはファンタジーなのだ。だからこそ夢があり、ありえないシチュエーションでの恋愛が可能なのである。何百何千とBLを読んできた自分が思うことは「いい男は本の数ほどはいないということ。それこそ少数なのよ。
そして、主人公にヒトコト。
相手が格好良くて頭が良くて優しければ男でも良いのか!?
(人生設計をもう一度考え直しましょう by椋)
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