か行

2009.01.16

闇の皇太子 未完の後継者

(金沢有倖/伊藤明十/ビーズログ文庫)


いきなり現れた異母弟・言により、自分が“闇世界”の王『闇皇』の息子であり、第一の後継者候補であることを知った后。突然のことに反発しつつも、味方である安倍晴明から軽い特訓を受けていたある日…後継者を狙うライバルでありながら后に異常な執着をもつ言に、闇世界へと連れ去られてしまう!そこで待ち受けていたのは、最強の力を持つ言を後継者にするべく動く一派と、まだ見ぬ父・闇皇で…。そして后が知る“真実”とは―!?


 書いているのが金沢有倖さんなので、ライトノベルといえどもBL風味は満載。アマゾンの評価が良かったので読んでみたが、巻を追って良くなった感じ。今月3巻目が出版予定だが、1巻目のとりとめのなさを我慢できるなら読んでみるのも一興。安倍晴明とか役小角というキーワードに反応する人ならおもしろい本かもしれない。精神的BLなので、BL読者には敷居が低いかも。

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2008.11.23

マハラジャの愛妻

(加納邑/桜城やや/ビーボーイノベルズ)

「花の精のようなお前を、誰にも渡したくない。誰にも触れさせたくない…」マハラジャしか入ってはいけない、王宮の秘密の庭。そこを世話することになった庭師の少年・ミルは、危機を救ったことから、精悍な若き王と愛し合うようになる。けれど、マハラジャの命を狙う陰謀が忍び寄り…!?情熱に溢れた、力強い眼差し。月明かりの王宮で、逞しく熱いマハラジャの胸に抱き締められ、甘い愛撫に溺れて…。エキゾチック・ロマンス。


寝る前に一読。

 久しぶりのノベルズだったが、装丁を裏切らないキラキラ感お手軽ロマンスに大きく頷いてしまった。コストパフォーマンスがなってない感じがビーボーイ!!(苦笑)。しかも設定はマハラジャと庭師の恋話。せめて攻守反対だったらおもしろかったけど、バッチリステレオタイプロマンスで、安心して読めるが冒険はない。そしてイラストを見ていつも思うのが、受けキャラの黒目黒髪。インドならあり得るかもしれないけど、この肌の色は…(どうなのか)。読者との融和? 貸してくれた友人には感謝しているが、寝る前にサクッと読み終えるくらいで量も質もちょうど良い本だった。

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2008.08.29

淫らな微熱のタクティクス

(桂生青依/九条AOI/アルルノベルズ)


飛佳が働く海外ブランド『パラグラフ』に店長としてやってきた広瀬。着任早々、鮮やかな手腕で店のやり方を変えていくその実力を認めながらも、今まで培ってきたものを否定されたようで、飛佳は素直に従えずにいた。そんな中、広瀬に呼び出された飛佳はある賭けをすることになり!?その契約の証しとして与えられたキスは蕩けるほど甘く、飛佳を揺るがせていく。やがて報告の度に与えられる淫らな熱を、どこかで期待してしまっている自分に気づき…。


久しぶりのノベルズ。

 サラッと読めてしまう1冊なので、おもしろくないわけではないが、何か物足りないような気もする。多分、男同士の恋愛の割に関係がスムーズに進みすぎるのが原因なのだろう。恋敵のライバルも現れるし、仕事上の妨害もあったりするのに、あまり主人公の心に沿って読むことができなかった。第三者的な視点で、ひっかかりもなくスルッと読み終えてしまったという感じ。久しぶりに買ったノベルズだったのに、文庫本のような読み方をしてしまった…(もったいない)。

 悔しいから記事にしてみた次第(苦笑)。

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2008.08.28

命いただきます!

(剛しいら/麻生海/キャラ文庫)


元ヤクザの若頭だった坂東は、腕は一流の板前だ。そんな坂東に惹かれ、住み込みで働くことになった、元フレンチシェフの巽。けれど禊のように風呂で毎日坂東の背中を流すうち、彼の癒えない心の闇が見えてくる…。ついに恋情と肉欲を抑えきれなくなった巽を、坂東は「心は抱いてやれない」と拒絶!!
なのに、なぜか身体は激しく抱いてきて!?


 引っ張り出して再読。最後まで一気に読んだ。タイトルはどこぞの任侠モノのようだが、実際は料理人同士の恋話。しかし、剛しいらさんらしく、話のあちこちに仕掛けがあって楽しく読めた。何より、本編のキーマンは回恩寺の和尚だろう。わかってるのかわかっていないのか、飄々とした風情で主人公達を導く和尚がお話の一番の功労者。直接的な愛情表現はしなくとも息子である巽が可愛いんだろうなぁ、と思わせるのがイイ。長男が腹黒そうなのもイイ!

 剛しいらさんらしい作品で、楽しく読み終えられる1冊。

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2008.05.17

瞳を閉じて、そして愛して

(鹿能リコ/ジキル/シャレード文庫)

交通事故で失った視力を角膜移植で取り戻し、念願の大学合格を果たした一之瀬亨は、導かれるように訪れた金沢で一人旅の男・土岐和征に出会う。彼の姿を見た途端あふれる涙を止められず、亨は常にはない強引さで一緒に観光をしようと申し出る。しかし、亡き恋人を想い縁の地を訪れようとしていた土岐にとって、天真爛漫そうに見える亨は感情を逆撫でするだけの存在。その苛立ちをぶつけるように、懐く亨を無理矢理抱いてしまうのだが…。

古都が舞台のミステリアスラブ。前編書き下ろし。


あらすじを読めば展開が読めるという古典的BL(?)だが、著者が鹿能リコ氏なので著者買いしてみた。…結果、意外におもしろく読めて驚いた。まあ、価格相応といったところかな。この手の使い古された手法のBLは当たり外れが大きいのが難点だが、目新しいものが無い分、却って著者の実力が正面に押し出される結果になったのかもしれない。シャレードでの初文庫ということで、こういうプロットも許されたのか何なのか。もうちょっとドラマティックに盛り上げても良かったような気もするが…、

たまにはこういう順当なBLもいい感じ。

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2007.03.27

甘い首輪

(黒崎あつし/街子マドカ/ルチル文庫)

小野瀬グループの跡継ぎ・明生の側にはいつも番犬がいる。番犬の名は高見信矢。明生のボディガードをしている。明生が友人の猛に薬を飲まされたのをきっかけに、身体を重ねるようになった二人だが、信矢は仕事の一環として相手を見ているようで…。そんなある日、明生が誘拐されてしまう。しかし、何故か誘拐犯は幼い頃に亡くした父親と同じ顔をしていて――!?

またしてもホラー…?

読後ちょっと怖くなる本を久しぶりに読んだ感じ。BLなのに…! あらすじだけ読めば、主従関係の下克上ラブかと思わせるが、それを凌駕する勢いの伏線が張ってあったあたりに驚きが。や、愛の形は色々あるものですな…(遠い目)。この本は読み進むほどに怖くなる仕組みっぽいので、日本的ホラーが苦手な人には向かないかなぁ。唯一ほのぼのさせるのは、最初は恐怖政治を布いていると思われた明生の祖父と悪友・猛。いや~、本編で冷や汗をかいた分、番外編では祖父の溺愛っぷりと猛の立ち回りに頬を緩めてしまいましたとも!

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2007.02.15

巫女姫の結末

(神楽日夏/佐々成美/リンクスロマンス)

幼少時代より父が創設した宗教教団の「巫女姫」としての役割を強いられてきた雪緒。18歳になったある日、教祖であった父が急死して教団が混乱するなか、ひとりの男が現れる。男の名は降旗勲。巨大企業グループを統べる名家の嫡男である勲は雪緒を自分の妻にすると宣言し、教団から強引に連れ去るが――!?

イラスト買い。

佐々成美さんのイラストが秀逸。性別不詳の巫女さんがなんとも繊細で可愛く、格好良く描かれていて、あっという間にノックダウン。新人さんなのに、一作目から佐々さんのイラストを付けて貰えるなんて…とハンカチを噛みしめつつお話の世界に突入。新興宗教集団の解体から始まるストーリーは、世間知らずの巫女姫がいかに還俗していくか…という部分を恋愛を交えながら進んでいく。もちろんBLなので、巫女姫といえど少年(色んな意味で性別不詳)なのだが、クライマックスシーンで過去に決別するあたりが清々しく潔い良い感じ。1冊読んで満腹という感じにはならないが、あのクライマックスの緊張感がコンスタントに書けるようになれば、先が楽しみな作家さんなのではないだろうか。

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2007.02.11

密約の手錠に繋がれて

(甲山蓮子/環レン/ガッシュ文庫)

「素直に好きだって言えよ、刑事さん?」偶然バーで出会った男・高倉と一夜を共にした新米刑事の藤枝。だが、高倉は藤枝の捜査対象=極鳳会の裏金を握るインテリ・ヤクザだった!!高倉は警察の情報を入手するため、藤枝の痴態を映したビデオを盾に脅迫する。その上、なぜか…愛人関係まで強要されて!?優しく愚痴を聞いてくれて、正直大人の魅力に惹かれてた…だけど、藤枝にだって刑事のプライドがある。身体は快楽に流されたとしても、ヤクザに好きなんて言える訳ないだろっ!!

…結局、高倉はヤクザってことでよろしいんですよね??(汗)

この話、主人公達よりも藤枝の上司、伊織宗一郎がメイン…? と思わせるほど、伊織が美味しいところを丸取りしている感がある。もちろん、恋愛担当は主人公達なのだが、それすら伊織の手の平の上という印象。構成上の問題とは思うが、伊織がたてた計画の中に藤枝が巻き込まれ、高倉が出てくる…という仕組みでは、攻めキャラの良いところがあまり出せず不完全燃焼…って感じ。藤枝のツンデレ具合も、個人的な基準からいえば、署内で可愛がられている時点で脱落。

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2007.02.10

色街に恋の花

(加納邑/七唄あむ/リーフノベルズ)

娼館の帳場で働く朱は、三年前に男前な店の主人・牙月に拾われて以来、彼のことが大好き。でも自分は男のうえに綺麗じゃないし、そばにいられるだけで幸せだと思っていた。ところがある日、朱の将来を案じた牙月に、店を辞めてもっときちんとした職に就いたらどうだと言れてしまい―。どうしても牙月のそばを離れたくない朱は、「この店の男娼になりたい」と告げるのだが…。

とりあえず1冊。

個人的に遊郭の話は敬遠していたが、これは中々可愛い話だった。多分、主人公の朱(しゅう)が遊郭に出て客を取っているわけではないからということが大きいだろう。そんな朱の悩みがストレートな上に、スカした攻めキャラ・牙月がその真っ直ぐさに理性を切り崩されていく様子が実に楽しく読めた。…しかし、なんというか、、、このショタ臭さは何とかならなかったのだろうか。イラスト効果もあるかもしれないが、朱が幼くてかなり牙月が危ない趣味の人に感じられた。続巻が出るなら、もうちょっと育って牙月を尻に敷いている朱に会いたいものである。

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2007.02.08

闇滴りし

(かわい有美子/笠井あゆみ/パレット文庫)

平安時代中期―宮中での謎の凶行により廃太子とされた惟喬親王の苦悩、権力欲渦巻く都の夜闇―二つの闇滴る深淵を重ね合わせて描く渾身作!!賀茂依亨は、今はすっかり力の衰えた陰陽師。蝦蟇の怪物・無白と共に国司の使いで都の外れ、小野に赴いた。隠岐に流された惟喬親王が大赦で都に戻り、そこに幽居する。荒れた山荘で髻も結わぬ無冠の宮に、依亨は金色の龍…王気を視、形式ばらぬ賢英に敬服。九条春暁(狐の化生)が侍り、幼なじみの宰相の中将で、検非違使別当の源由朔も通う。いずれも宮に心酔していた。夜、依亨は朧な白い影を見る。それは宮の昏い情念にまつわるものだった…。

何日か掛けて読破。

BL風味という感じの話で直接描写は出てこない。しかし、かわい有美子さんの奥行きのあるキャラ設定と時代設定、さらに背景描写のお陰で安倍晴明あたりが好きな人には楽しめる本になっている。主人公は陰陽師なのだが、キャラ的には龍の宮という登場人物に完全に食われた感が強い。第三者視点に徹するということなのだろうか。でも主人公も渦中にいるしなぁ。。。2004年発売の割に続編が出ていないので、謎は謎として残ったままなのが惜しい。もし叶うなら早めに完結編を出して謎解きをしてほしい。

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2006.10.18

髪に触れる愛しい手

(かのえなぎさ/海老原由里/GENKIノベルズ)

「お前の指は…きれいだな」
人懐こい美容師の明良は、編集者・宏樹の紹介で人嫌いの映画監督・正己の髪を切ることに。気難しい正己は一度は逃げ出すが、明良の指だけは気に入ったよう。無防備に情を注ぐ明良に次第に心を開き始めるが、酔ったはずみでキスしたことに互いに驚き、意識し始める。そんな緊張感の中、怪我をした明良は正己の所に転がり込み…!?

久々にストライクな1冊に出会った。

こういう攻めキャラは読者の心を掴むだろう…と思わせるようなキャラ設定。すんなり入っていける世界観。ストーリー的にも色々とてんこ盛りな話なのに、それらをほとんど感じさせないのは、作家の筆力かキャラの立て方の巧みさか。それなのに、続編を読みたいとは思わなかった。この二人はこれでいいんだ…と納得してしまったからか。。……しかし、正己のような明良のような男性が現実に近くにいたら女子が黙っていないだろう。そして、エリートなのに人間味溢れ、敵役ともアドバイザーとも引き立て役ともいえる弟。彼がまたイイ(のだ)

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2006.09.04

恋におちる、キスの瞬間

(小塚佳哉/佐々成美/角川ルビー文庫)

友人が紹介してくれた女の子とデートするために、繁華街へやってきた高校生の今井理友。だが待ち合わせの場所にやって来たのは『ハルナ』という長身で美形の男だった。<br />友人にからかわれたと気づき理友は悔しがるが、榛名にまるで恋人のようにエスコートされ、別れ際にキスまでされてしまう。そして理友は名前の由来であり、亡き母の思い出の車、フィアット・リトモを見に行こうと約束するのだが――。

かわいいお話。ちょっと暗めの設定もあるにはあるが、すんなりお話の世界へ入っていけるあたり、さすが小塚佳哉さんだと思う。BLにありがちなシチュエーションやキャラ設定ではあるが、久しぶりにルビーを読んだ自分としてはとても楽しめた。ハッピーエンドでご都合主義。葛藤も矛盾もなく恋愛関係に突入したあと、予定調和の驚きがある。

…つまりは、ストレスなく読める1冊なのだ。

幸せな恋愛を楽しみたい分には良い本だと思う。

なんと言っても、今回の目玉は主人公の「名前」にあるだろうと思う。そして、その小道具をメインテーマに絡めて物語りすべてが進行していく。友人の悪戯から始まったはずの恋を、自然な形で本流へと合流させていくのは著者の筆力によるものだろう。

しかし年齢差その他を考えたら、ちょっと犯罪でしょ?と思わなくもないのだが…(佐々さんのイラストがまた可愛いのだ!)。

それに、恋愛には歳や性別は関係ないのだろうか。というBLを読んでいつも感じる疑問をここでも感じた。…ていうかさ恋は盲目ってのはわかってるけど、もうちょっと悩もうよ…。

現実では、ゲイやバイは少数者なのだ。BLを読んでいると、多数社会の価値観に存在しているからこそマイノリティの苦悩があるのだと忘れてしまいそうになる。BLはファンタジーなのだ。だからこそ夢があり、ありえないシチュエーションでの恋愛が可能なのである。何百何千とBLを読んできた自分が思うことは「いい男は本の数ほどはいないということ。それこそ少数なのよ。

そして、主人公にヒトコト。

相手が格好良くて頭が良くて優しければ男でも良いのか!?

(人生設計をもう一度考え直しましょう by椋)



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2006.04.03

恋の前ではオトナも子供も

(鹿住槇/おおや和美/コバルト文庫)

母を亡くしたとはいえ、父と二人で明るく暮らしている高校生、斉藤一樹。父に再婚の話が持ち上がって、嬉しく思っていた。だが、相手の女性の兄・尚が猛反対しているというのだ。直接会って説得しようとした一樹は、尚がゲイだということを偶然知ってしまう。「俺を好きになったら、認めろよ!」その場の勢いで始まった恋愛ゲーム、二十七歳のクールな大人を高校生が誘惑できるのか!?

サラッと一読。

読みやすい1冊なので、本当にアッと言う間に読めてしまう。展開もよくあるものだし、設定もどこかで聞いたことがあるようなものばかりなのだが、ノリが大衆小説っぽいので何となく許せてしまう。下手に凝ってないのが良いのかマンガ的なのか。出てくる人は良い人ばかりで、ハッピーエンド主義には楽しく読める。コストパフォーマンスは脇に除けた上で、息抜きには良いかも。

さて、親の再婚話についてきた年上の義兄。まだまだお子ちゃまな一樹が大人の彼を誘惑できるのか?と聞かれたら「できない」と答えるのが筋かなぁ、と個人的には思うのだが、これはBL。隣の兄ちゃんも向かいのオジサンも恋に悩む世界の話なのだ。なので、正解は誘惑できる。が正しい。流れとしては元カレの山崎くんが一樹をもう少し引っ張り上げてくれるとおもしろかったのだが、著者が描きたかったのも多分その辺りだろうと思われるので仕方なくスルー。どの本を読んでも感じることだが、コバルトはこの辺りの切り捨て方がはっきりしている。…話の深みに填らないようにコントロールしていると言うべきか。だからこそ「本屋さんで買える恋」なのだろうが……ってこれはパレットだったかな(汗)

恋愛とは不思議なもので、現実では二十七歳と十六歳の恋愛もあるとは思うし、年齢差のカップルも多いと思う。特に男同士の恋愛だと余計にあるだろうと思われる。紫の上ではないが、育つのを待つのも醍醐味かもしれない。だが、やはり二十七歳が十六歳を相手に選ぶのはリスクが大きい。恋愛はバランスなのだ。うっかり酔っぱらって本心を明かしてしまった尚にはご愁傷様と言うしか……ない…(合掌)。

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2005.08.12

PUREなカンケイ

(かのえなぎさ/小路龍流/リーフノベルズ)

『親友』・・・和哉にとってそれは無愛想だけど優しい秀穂のこと。学生時代も、別々の進路を選んだ今でも、そしてこれからも…そう信じていた。だけど和哉が社長令息でもある新人・朋幸の面倒を見ることになり、親しくなるにつれて秀穂の態度が微妙に変化していく。そして朋幸を家に泊めたことを知った秀穂に、和哉は強引に唇を奪われ、しかもそれっきり秀穂とは連絡が取れなくなってしまい・・・!!


『カンケイ』シリーズ最新刊。
『カンケイ』シリーズは終了したのでは…という話をぶっとばす勢いの知る人ぞ知る子リス坂ちゃんストーリー。本編のラストに書き下ろしでちらっと出てきたりした記憶があるのだが、やっぱり1冊子リス坂ちゃんだと顔が緩むのを抑えきれない。こういうカップルは読んでいて飽きないし、何といっても久坂のイラストが花丸印にカワイイ。『OH! YES!!』と叫んでしまいそうである(ナゼ英語?)。続編を期待して、カンケイシリーズを再読しようかと検討中。

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2005.08.01

御所泉家の優雅なたしなみ

(神奈木智/円屋榎英/キャラ文庫)

天涯孤独な身の上から一転、由緒正しい名門・御所泉家の遺産相続人に指名されてしまった晶。その次期当主になる条件は、三ヶ月後に控えた一族お披露目の式までに、完璧な紳士になること・・・。そんな晶の教育係に指名されたのは、容姿・才能いずれも劣らぬ名家の嫡男の三人。同時にそれは、晶の後見人選びも兼ねていて…!?


うーん、美麗イラスト…(うっとり)
Σ( ̄□ ̄;)
………。ついうっかりイラストのことから入ってしまったが、待っていた神奈木智さんの新刊(キャラ文庫ってトコがポイント)。『人でも殺せそうな勢い』の文庫とあとがきで仰っているとおり、久々の分厚い文庫で読み応えがあった。端的にいえば「マイ・フェア・レディ」ならぬマイ・フェア・ボーイ系列のお話で、特徴はヒギンズ教授役が3人存在し、そのすべてが毛色は違っても美男子で育ちが良く、妙齢でエリートという部分。生まれは良くても庶民育ちの主人公との丁丁発止がなんとも可笑しくおもしろい。神奈木マジックで続編が出ることを祈る。

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2005.06.16

別れごっこ

『別れごっこ』   (剛しいら/山田ユギ/プラチナ文庫)

高校時代に出会い、Hして、切なく別れた冬馬は背が高くていい男。おまけに家は金持ちだった。大人になって再会し、彼を忘れられなかった明生は、押し切られるようにしてヨリを戻す。離れていた時間を取り戻すべく、甘く淫らな同棲生活を……と思いきや、冬馬の思いこみの強さと金銭感覚の違いにキレた明生。「裸にして、ベッドに放り投げて…それしか仲直りの方法を知らないのか」またもや別れを宣言した!?


こっちのブログでは初めての剛しいら本。
一読後、確かにタイトルに偽りナシの内容だと深く頷いた。…まぁ、サラッと読むだけではただの痴話喧嘩の話で、明生の真意がわからないだろう。甘い話と言えなくもないしね。そういう地層のような書き方をするあたり、剛しいらさんの筆力というべきか。個人的にはあとがきに挟まれた弱冠2Pのオヤジバージョンが最高に楽しかったが(笑) イラストが山田ユギさんっていうのもハッピーな理由。ユギさんもオヤジスキーだしねッ!!

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2005.05.29

極妻のユウウツ

(甲山蓮子/タカツキノボル/ショコラノベルズ)

伊達組の顧問を務める美貌の弁護士・神崎忍は、組の二代目である伊達崇人に、腹違いの弟・織田謙を弁護士見習いとして押しつけられる。年下のくせに態度が大きく粗暴な織田に、忍は悪印象を抱くが、織田は見かけより有能で辞めさせるスキがない。それどころか、伊達に似た織田に心をかき乱されてばかり。実は、忍は密かに伊達に想いを寄せていたのだから…。ある夜、酔いつぶれた織田を介抱していた忍は、彼に力ずくで抱かれてしまい、激怒するが―。年下の野獣と美人弁護士―命懸けの恋の行方は。


ここのところ甲山蓮子さんの『極妻』シリーズを読んでいたので、1冊レビュー。
以前読んだ時は、このジャンル(ヤクザ)の本が連発(乱発!?)されており、どの本を読んでも『あ~、またこの展開か』とちょっと辟易していた記憶がある。もちろんその潮流はまだ残っているが、あの頃に比べれば今はまだマシ。このシリーズもようやくちゃんと読んだ感じで、それなりにおもしろい話だったんだな、と苦笑が漏れた。同じジャンルの本を同業他社から一斉に発売されても、読者は『選ぶ楽しみ』があるというより『同じようなものばかり読まねばならない苦痛』を感じるものなのだ。再来して欲しくないブームである。。。

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2005.03.18

蒼天の月

(可南さらさ/夢花李/リンクスロマンス)

『アンタ、俺と契約しないか?』
月夜の晩、桜が咲き誇る庭で、沢渡遙は端正な顔立ちの少年・牙威と出会う。僅かな時間の中で遙を気に入ったと言う牙威は、謎の言葉と甘美なキスを残して姿を消した。それから数日後、バイト先で起こった怪事件に巻き込まれ危機に陥った遙は、牙威に救われる。彼は神の力を持つ「龍神」だった。だが、力を使うには、力の源を与える者と契約を交わす必要があるという。牙威に命を救われた遙は、牙威と契約を交わす事を決めるが――。

おもしろかった
読み始めてすぐに『自分にとって唯一絶対の存在』とか『絶対手離したくない存在』なんてイメージが漂い、「遙、お前もか…」みたいな気分だったのだが、色々な設定と世界観がよくできているのでうっかり楽しんでしまった(笑) 本当は2冊になるところを1冊に纏めたと「あとがき」で読んだが、たくさん伏線らしきものが張ってあったので、続編なり番外編なりが今後出るんじゃないかと推測。この1冊だけでも楽しめるが、冠城本家のことなど説明不足の部分も多い(秘密が多いってことかな)ので中途半端が嫌な人は次巻を待って一気に読むのも一興かと(思われ)。個人的には水壬楓子さんの「ムーンリット」シリーズのように1冊出るごとに理解が深まるような書き方でつづいてくれたらいいなぁ、と思った。

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2005.03.14

琴姫様、乱心!

 (高円寺葵子/こうじま奈月)

俺、宮代もみじは昔からなぜか生き物にとっても好かれるタイプだった。旅先で出会った土佐犬の琴姫に気に入られた時も、いつものことだと思ってたんだ。まさか、お犬様(!!)の琴姫に、平泉家跡とりの嫁に選ばれてしまうまでは!!勿論相手は男。ケダモノだ。俺だって男だし大学あるし、いくら平泉若葉がいい奴だってさあ…ねえ?俺ってなんか、特別なフェロモン放ってんのかな。

『琴姫様~』シリーズ(全3巻)の第1巻。
動物に異様に好かれてしまう性質のもみじが旅先で出会った琴姫様は、お世辞にも可愛いとは言いづらい土佐犬だった。…琴姫様が土佐犬だったという時点で絵的に何かを外していることは間違いないのだが、この主人公、琴姫に噛まれたり濁流に流されそうになったり別の土佐犬に襲われたり…、なんとも体力勝負な場面が多い。…多すぎる! …しかし、そこはさすがに主人公。前向きな思考(プラス思考?)で明るく乗り切っていく。ストーリー的には、まぁ、成るようになるのだが、ボーイズなのに琴姫様ともみじの友情物語のような話なので、変わったテイストが楽しめるかと(思われ)。

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2005.03.11

にゃんこ亭のレシピ

(椹野道流/山田ユギ/ホワイトハート)

銀杏村は奇妙な村だ、と言う人がいる。妖しが、いたるところにあたりまえに生きている村。風に、雲に、木々に、光に―人間の隣に、ごく自然に存在している村。東京に住むゴータの元に、ある日、届けられた一通の手紙。それは祖母が亡くなったことを報せるもの。そして同封されていたのは、銀杏村に遺された彼女の家の鍵だった。祖母の家で暮らしはじめたゴータの、穏やかでどこか懐かしい、春夏秋冬、不思議の日々。

大人のための童話って感じ。
一章が終わるごとにその章で出てきた料理レシピが簡単についていたりして、中のページデザインも凝っている。文字数もちょっと少なめで抑えてあるような。発売当時、手に取ってみた時にそのデザインに購入を躊躇した記憶があるので、見た目で敬遠する人もいるだろう。だが、内容はおもしろい。シンプルでやさしくて心がほんのり温かくなる。……人によってはちょっと泣けるかも。「これってボーイズ?」 と問われれば、「今のところラブシーンはないです」と答えるしかないが、ボーイズ風味であることは確か。なくても面白いが、この点は続刊に期待。

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2005.03.08

サーフェスの魚たち

(北川とも/北畠あけの/花丸文庫)

出版社に勤める24歳の吉見和宏は、人事異動で「月刊釣りライフ」編集部に配属された。釣りなどやったこともない和宏だが、結婚退職した前任の女性社員に何かと比べられて奮起する。そこで、紹介された釣具屋の息子・加納洋司に「釣りを教えて欲しい」と頼みに行くと、何故か加納はダメだの一点張りで…。

現実に居そうで、でも居ないだろうなぁと思うキャラ達の恋話。
……はっきり言って、キャラもストーリーも地味で堅実なのだ。しかし妙に心に残る。派手さが抑えられている分、キャラが陰影を伴い実在しそうな感覚をもつからだろうか。ちなみにタイトルの「サーフェス」というのは「surface」。調べてみたら『 n., a. 外面(の); 外観(の), うわべ(だけの); 地上の, 水上の; 』という回答が得られた。一番近い感覚に当てはめるとタイトルは「地上の魚たち」って感じ。釣るか釣られるか…なんていう緊迫感のある話ではなく、しっとり淡々とほのぼの進むのでボーイズに慣れた大人には良い本かもしれないな、と思わせるものがある。
……まぁ、いうなれば癒し系?

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