さ行

2009.08.27

帰る場所

(椎崎夕/竹美家らら/ルチル文庫)


室瀬玲一は姉の形見の喫茶店を営みながら、姪・桃子を育てている。ある朝、店の前に男が行き倒れていた。男を家に上げ、介抱する玲一。その男・西崎征一は、七年前に姿を消した桃子の父を思い出させ、玲一はいい感情を抱けない。そんな折、地上げ絡みで嫌がらせを受ける玲一達のもとに、桃子の祖父の使いが現れ、桃子を引き取るといい…。


 あれ?ここで終わり?? 投稿作品だからこんなものなのか、続編出版予定が立っているからこんなものなのか、とにかく、見ていたドラマのエンディング付近で電源を切られたような気持ちになった。けれど、全体の雰囲気は悪くない。読みながら「あー、この雰囲気、懐かしいなあ」と思えるような心情優先、ラブシーンは少なめ、けれど読後感は悪くない耽美とBLの真ん中あたり。まあ、続編が来月出るみたいだから併せて読んだ方が良いとは思うが、愛しいという気持ちを思い出させる物語なのかも。

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2009.01.06

三十二番目の初恋

(椎崎夕/金ひかる/ルチル文庫)

美容師の瑞原想は、同棲中の恋人に「結婚するから」と家を追い出され、呆然としていた。失意の中、更にトラブルに巻き込まれ右腕を骨折し、想は家だけでなく仕事も失う事に―。しかしその後、骨折のきっかけとなった勤務医・梶山の家に居候することになり、生活感のない家で二人一緒に暮らすうち、恋人を失った過去に縛られたままの梶山に惹かれ始め…。


2日かけて読破。

 初っ端から別れ話。。。はBLでは良くある展開だなぁと思っていたら、主人公達が相手に遠慮しすぎてジレジレの展開。梶山が堅物過ぎて想の間合いに入り込めない感じが関西人のツッコミを発動させる(笑) 読んでいる途中で電車を降りたので読書は2日目に持ち越してお話と同様にゆっくりと読み終えた。それが良かったのか、最後まで胃もたれせずに読み終えられた。この話、一気読みはツライかも。

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2008.08.20

罪な回想

(愁堂れな/陸裕千景子/ルチル文庫)

田宮吾郎が警視庁のエリート警視・高梨良平と付き合うきっかけとなった親友・里見の事件から半年以上経つ。田宮のことを「ヨメさん」と惚気る高梨を暖かく受け入れる部下たちに戸惑いながらも差し入れを持っていく田宮。ある日、高梨は同僚の「新宿サメ」こと納に田宮を紹介する。
高梨の「理想の嫁」が男と知り驚く納だったが……!?


「罪」シリーズ短編集。

 本編では描けなかった登場人物の繋がりや主人公の日常が短編形式で読める。短編集ということもあってサラッと読んだが、内容は、、、ほぼネット公開されていた短編を加筆訂正したものだった。正直、読んだことがある話ばかりなので、同人誌でも持っていたら思うところがあったかもしれないが、ブログ移行されてからは愁堂さんの公式HPに行ってなかったこともあり、懐かしさも相俟って楽しく読めた。特に、ラストのオマケコミックが楽しかった。

陸裕さんは本当にトミーが好きね(笑)

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2007.03.06

猫鍋

(佐久間智代/新書館 ウンポコ エッセイ コミックス)

猫がほしい!だから手段は選ばない……!!

中学生の佐久間智代が、猫を飼うために取った最終手段とは!? 佐久間家の飼い猫であるキジトラのまいちゃんを中心に、家族全員が愛人(?)をしていた三毛猫のにゃん、お隣のシャム猫クックや友人宅のサバ猫・チロなど、素敵に楽しく猫考察!! キュートな猫を描かせたら天下一品vの佐久間智代による猫好きの猫好きによる猫好きのためのネコネコエッセイ決定版!!

猫が凄く好き…という訳でもないのだが、佐久間智代さんのエッセイコミックスということで購入。読んでいる内に猫の生態が理解できてきて「私には飼えない…」と実感してしまった。でもコミックスはおもしろいので、猫好きの人にはオススメなのかも。とぼけた感じのコミックなのだが、後を引くおもしろさがある。まぁ、あらすじにあるようなチロとかクックは出てこなかったような気はするが。。。

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2007.03.03

天使の耳

(榊花月/竹中せい/ラピスモア文庫)

交通事故に遭い病院の一室で目覚めた明里は、加害者の男――倉澤の面会を受ける。音楽ディレクターだという倉澤は、大人で包容力もあり、明里を特別に大切にしてくれる。そんな倉澤に、明里は徐々に心を独占されていく。そしてある夜、明里は倉澤に抱かれるが、抱かれていながら倉澤を遠く感じた。明里が思うようには、倉澤は明里のことを愛していないのかもしれない。倉澤が真に愛していたものは…。

BLで概ねハッピーエンドばかりを読んでいる自分にとっては久々の衝撃作。著者本人も今回のこの話はさすがにサイドストーリーとかまったく考えつきません』とあとがきに書き綴っているが…納得。これで倉澤メインのサイドストーリーとかショートストーリーとか大盤振る舞いされたらドン引きするかも…。ストーリー自体は、ある意味ミステリといえなくもないが、補って余りあるモノが最後にドカンと待っている。榊花月さん、恐るべし…。

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2007.02.13

ノンフィクションで感じたい

(秀香穂里/新藤まゆり/キャラ文庫)

週刊連載でトップを獲れば、作品が映画化!?小説家の吉井に、そんな大型企画を持ってきたのは、大学時代の恋人で編集者の神尾。しかも性描写が苦手な吉井に、官能物を書けと迫ってきた!!一方的に振ったくせに、今度は強引に執筆を迫る神尾に、過去の執着を呼び覚まされた吉井は、「それならお前が官能を教えろ」と条件を出す。ところが神尾はためらわずに吉井を激しく抱いて…。

一気に読破。

おもしろい! 物語の仕組みが劇中劇のようになっていて、それがキャラ達の関係とストーリーの展開に相俟って収束していくのが「上手い」と唸らせる所以だ。キャラは作家・吉井と編集者・神尾で、ひとつの作品を世に送り出す苦しみを分け合いつつ距離が近づいていく。…というか、最後には主人公の書く本のラストが気になって仕方がなかったあたり、作者の思惑のウチってことか。やられたな。ひとつ欲を言えば、恋愛に盛り上がりが少なかったような気が。仕事のバトルが強調されすぎたのかも。まぁ、これは全体のバランス的なものもあるのだろうが、危難にはひとりではなく二人で立ち向かって欲しかった… 気持ちよくラストまで引っ張っていって貰えるので、再会モノが好きな人にはオススメの一冊。

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2006.09.09

セカンドセックス

(清白ミユキ/巴里/ラピスモア文庫)

以前の恋人が忘れられない明良は、見知らぬ男・三上と寝てしまう。一夜限りと思っていた関係はその後も続き、いつしか三上が以前の恋人よりも気になる男になっていた。そんなとき、己のことを語らない三上がいずれは大きな財閥を継ぐ男なのだと偶然知ってしまい、男との見えない壁を感じ、距離を取り始める。三上とホテルに入ることを拒んだ明良は、いつ誰が来るかもわからないホテルの地下駐車場の車中で男に無理やり犯されてしまい――。

値段の割に薄いと思って手を出しかねていたラピスmore文庫。あらすじを読んでどうしても読んでみたくなって、思い切って買ってみた。

しかし、これが…おもしろかった!(エロかった!ともいう・笑)

なんだろう。ストーリー展開と描写のバランスがいいのかもしれない。久しぶりにBL系のJUNEを読んだ気分。余分なものを排除して人間関係だけで綴っていく物語は、一読すれば舞台を見ているような感覚。しかし、同性同士の恋愛ではあり得ない「出産」を主人公の気持ちの転換点として嫌みなく出しているあたり、かなりこなれた作家さんだと感心してしまった。

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2005.11.01

でも、しょうがない

(榊花月/金ひかる/ディアプラス文庫)

山奥の全寮制男子高校に編入した陸を待っていた、思いがけない再会。小学生時代、狂犬ミケと恐れられた暴力大王が、品行方正、学年トップで人望も篤い寮長サマとは、一体なんの冗談か!?混乱し、素直になれない陸を、冷たく突き放したかと思えば、さりげなく助けてくれたりもするミケ。反発しながらも、陸の心は次第に彼へと傾いて…?


榊花月さんのギャグ全開本、と深く頷いた。
まぁ正しくは『丸ごと1冊ネタ?』と思うくらいの本で、とてもテンポ良くコントを見ているように話が進むのがおもしろくておもしろくて。当初、電車の中で読んでいたのだが、笑いをこらえきれずに途中で読むのを断念したのだ。榊さんの本は外で読むのは危ないという認識を深める。ストーリー的には、ラブコメと言うにはちょっと外してて(主にギャグネタが)、どちらかというと寮の住人の日常を主人公・陸視点で軽く楽しく垣間見せてくれるという感じ。あぁ、こんな寮は楽しいだろうなぁ、とニッコリできるのだ。…文中のギャグの元ネタが8割理解できる人にはすごくおもしろいだろうと思われる。…が!年代的にギャグの元ネタ自体がわからない読者も多いような気も(汗) …つか、わからないネタの方が多かったのに、こんなに楽しく幸せな気分になれる本は滅多にないね…(笑)

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2005.09.18

ルーズな身体とオトナの事情

『ルーズな身体とオトナの事情』   (坂井朱生/富士山ひょうた/ルチル文庫)

旧家の次男・奥澤悠加は大学生。念願の一人暮らしを始めるはずだったのだが、十歳年上のお目付け役、山科崇之と暮らすことに。何かと厳しい崇之に、コンパは邪魔され、家の中のことはしごかれる始末。ある日、無断外泊を叱られ、キレた悠加だったが、逆に崇之が身体に触れたりセクハラを!?その状況に慣れつつ戸惑う悠加は、やがて崇之への気持ちに気づき・・・?


最初ぼんやり流し読みしていたせいで、崇之を悠加と同い年と読み違えて半ばまで読んでしまった。「腑に落ちない」と思いつつも読み進められたのは、ひとえに二人きりの場面に甘さが少ないから…(と本文に責任転嫁)。せっかくの二人の場面でも『恋の予感』がすると言うよりは説教ジジイと高校生のようだと思ったのは私のせいではない(と思いたい)。崇之の行動がイマひとつ響いてこなかったのは年齢差なのか、その秘密主義からか。いやしかし、読者にまで秘密主義っつーのもどうかと思うよ………(汗)

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2005.07.28

シンデレラ ゲート

(氏之原鯖彦/麻々原絵里依/アクアノベルズ)

春日は、両親を事故で失ってから、日銭を稼ぐ生活を送っていた。分厚い眼鏡に伸ばしっぱなしの黒い髪、そして痩せ過ぎの身体……。なにひとつ良いことなどこの世にはないと思っていたある日、幼馴染と向かったファッションショーのバイト先で、いきなり呼び出しを食らってしまう。何事かと戸惑うそんな春日の前に現れたのは、世界的有名ヘアメイクアーティスト西院士貴だった。士貴はこの日行われる、ステージでのカットモデルとして春日に舞台に上がってほしいというのだ。戸惑う春日だが、「君を輝かせる」という士貴の言葉に揺り動かされ、モデルを引き受ける。この瞬間から、春日のシンデレラストーリーが始まった!


さらりと一読。
新人作家さんの作品らしく、荒削りなのにどこか魅力が感じられるお話になっていた。。。…が! ちょっとひどいんじゃないの? と思ったのが挿絵の挿入ページ。校正や内容チェックに時間がなかったのかもしれないが、本文とずれまくった前半の挿絵は一体なんだったのか!? 読みづらいことこの上ない。気づいた方もおられるだろうが、前半の挿絵ページがひとつずつ前にずれているとしか思えないのだ。イラストを見て『このシーンは何?』と思いつつ、読み進めていく辛さ。…お金を払って購入した人間の気持ちを考えて本作りをしてほしかった…(とほほ)

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2005.06.22

ダブル・トラブル・ラブ

(櫻井ちはや/柚名ハルヒ/アクア文庫)

高校1年生の双子の兄・咲夜が好きになったのは、高校制服採寸の日、弟の菜月に声をかけてきた長身の男・此花だった。同じバスケ部であり、また女子の間の『此花と菜月は付き合っている』という噂を聞いた咲夜は、お兄ちゃんとして菜月の幸せを見守ってあげなきゃ・・・と、自らの気持ちを隠し、抑えてしまうのだが・・・。


一読後、なんだか懐かしい心境になった。
ちょっと前のボーイズにはこういう双子モノって結構あって、しかも受けキャラの体格や容姿が絶対的に小さくて可愛い…というのが定番だったのだ。ノベルズ初出は2002年。「結構最近だな」という印象があるが、よく考えれば(今は無き)エクリプスロマンスなので、レーベル色にそういう傾向があったのかも。まぁ、体格差はよくある話かもしれないが、今は「可愛い」キャラより「美人系」キャラの方が多いような気がする(好きだけど!・笑)。…うむ。これも時代の為せる業なのか…(遠い目)

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2005.06.04

赤と黒の衝動

(春原いずみ/夏乃あゆみ/キャラ文庫)

高校時代に牡丹の新品種作出に成功した早熟の天才・・・大学で牡丹の交配を研究する野添智史は、一つ年上の大学生・齋木凌に一目で気に入られてしまう。本業は実は新進気鋭の華道家の齋木は、新興松葉派の御曹司。「おまえの作る花は俺のものだ」と当然の権利のように口説いてくる。密かに研究に行き詰まっていた智史は、齋木の力強い作品に、感性と官能を刺激されていき!?


突出した才能は惹かれあうんだよ…という感じのお話。
春原さんは最近天与の才能に関する話を書かれることが多いような気が。タンゴダンサーとかギタリスタとかウイスキーブレンダーとか。…うむ。2005年に入ってから『才能モノ』に終始している。時代が『天才児』ブームだから?(汗) 本が出るたびレビューを試みるのだが、その都度挫折。多分キレイに区画整理された話は書きにくいんだろうなぁ。今回は衝動なんてタイトルについてるから、恋愛面でかなり深読みした記憶が。意味深だよねぇ、まったく。

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2005.05.27

キレイな恋じゃなくたって

 (仙道はるか/実相寺紫子/リーフノベルズ)

王子様のように華やかな美貌の聖司は、文武両道を地でいく完璧な男。だが、彼の秘密の恋の相手は異母兄の和泉!? 早熟な天才児だった聖司は、中学生の時、想いを抑えきれず思わず和泉を抱いてしまうのだが、美しい兄は拒まない代わりに求めてもくれなくて・・・。聖司はそんな和泉に戸惑い、逃げるように全寮制の男子校・神羅学園へ入学を決める。だが、和泉に対する想いは募るばかりで……


数ページ読んで『明日は明日の風が吹く』(2005/03刊)の番外編だと気づく。この本についてはレビューに適当な言葉が浮かばず惜敗を喫していたので、今回は気分も軽くチャレンジすることに。
主人公は聖司という名で、前作の主人公・神谷飛鳥に気に入られまくっていた美形の空手部部長。しかし身長が188センチもある上、女顔なので飛鳥の恋人役はキング・王城(生徒会長&柔道部部長)にもっていかれることに。とかく前作の主役カップリングに絡んでいたからか人気があったからか1回限りの設定にするには惜しい人材だからなのか、今回の主役に抜擢。彼の隠された秘密(というほどのものでもないが)なんかを中心に嫌味ない筆調の展開で、最後までスイスイ読み進めることができた。個人的にはかなり策士な彼の日常を覗けて腹黒満足な1冊だった♪

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2005.03.24

獣のごとくひそやかに

『獣のごとくひそやかに  言霊使い』  (里見蘭/高嶋上総/ホワイトハート)

滝川聖は、不思議なメッセージを聞いた時から、突然、生命を狙われることに! "玉神"によって特殊な能力を授かった綺莉と史暁は、聖の持つ力がやがて自分たちの組織を滅ぼすのだとして追いはじめる。そこで少年の抹殺を命じられた隼王。彼はこれまで綺莉たちと生きてきた。しかし…。聖に、遠い日の自分の姿を見た隼王は、仲間を裏切り命を賭して少年を守ると心に誓う。出会ってしまったふたりなのだから。

テンポも良いし、キャラも良い。…しかし弱冠の違和感。
なんだろう…と考えて気づいた。…萌えが足りないような(!) いやいやいや。何というか、すっきりとしたストーリー展開とわかりやすいキャラ設定は、ちょっとアニメでも見ているような感覚で。…つまりは想像を膨らませる余地が少ないってことなのだが(汗) 例えば、玉神チームの綺莉と史暁は、主人公・滝川聖から見れば明らかに悪者(突然殺意を持って襲われたら誰だってそう思う)。この唐突さは、ある意味少年少女マンガに通じる展開とも言えるが、それならこの先読者の意表を突く展開に導いてくれるのかどうか。恋愛が絡むのかどうか。それはボーイズなのかとか。やはり続編を読んでみないことには評価が出ない1冊だった。

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2005.03.22

裏切りは恋への序奏

(愁堂れな/あさとえいり/雄飛)

智彦は、叔父から預かった封筒を約束の相手に渡した途端なぜか逮捕されてしまう。なんとか釈放された智彦の前に、突然現れた謎の探偵・鮎川。しかも、逮捕現場にいた絶世の美女が鮎川の変装だったと知り怪しさは倍増! なりゆきで、行方不明になった叔父を一緒に捜すことになったのだけど…。いたずらにキスをしかけてくる鮎川に翻弄されつつ捜査を手伝う智彦だが、鮎川には別の目的があるみたいで……。

サラッと一読。
いきなり遺書から始まるので不穏と言えば不穏だが、内容はいたってライト。愁堂れなさんの大好きな2時間サスペンスっぽい哀愁や謎解きなんかもあったりして、1冊の本としてはよく纏まっていて読みやすい。あさとえいりさんのイラストもハマッていて、女装シーンが苦手な読者もこれなら大丈夫!と思うのではないだろうか。あえて苦言を呈せば、まとまりすぎているということだろうか。まるで「ボーイズ」というプロット型に、あたりさわりのないキャラを作り、機械的にエピソードと共に流し込んだような感じがある。おもしろいがすぐに忘れてしまいそうな消費型の本…という印象が強かった。おもしろかったのに、なんか惜しい。

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