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2009.08.31

愛をください

(ふゆの仁子/水木かおる/リーフノベルズ)


画材店に勤める水島佳樹は、妙な客の噂を聞く。「連日、閉店間際の店に駆け込んできては、水島の描いた画材説明用の見本画と同じ画材を買っていく」というのだ。その容貌は、水島が毎朝コーヒースタンドで見かける男の形容と一致するものだった。ある晩、水島が大学の時の仲間とバーで飲んでいると、コーヒースタンドで見かける男が近づいてきて…。「―あんた、一体何者なんだ?」「ただの銀座のホストですよ」ゴージャスな外見とは裏腹の縋るような視線に、水島は彼を邪険にできなくて―。


 シリーズ再購入、再読。


 どうしても手放せないBLがある。手放しても再読したくなって、数年後に再購入して再読するBLがある。これはそんな1冊。オーソドックスなBLの型に、ふゆの仁子さんの筆が物語を紡いでいく様子は、あたかも本書の主人公が水彩画を描くようである。水木かおるさんのイラストも相俟って、大人のBLという感じ。主人公の水島にイラッときても、その心の漣は必要だったと思ってしまうのが凄い。静かで純粋なラブストーリーを読みたいときにオススメの1冊。

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2009.08.30

恋より微妙な関係

(妃川螢/実相寺紫子/アルルノベルズ)


敏腕秘書の杉原は、深手を負った男・犬飼と一匹の忠犬を匿う。謎が多く、危険な香りを放つ犬飼と、ペットと呼ぶには利口すぎるリッキー。彼らは、ひとりでも充分満たされていると嘯く杉原の生活に自然と浸透していく。「宿代」と称して大人の関係まで結んでしまった杉原だったが、犬飼は突然リッキーを残して姿を消し―!?身体の取引も厭わない美貌の秘書と、正体不明の獰猛な男が求めたのは快楽か、それとも…


 はるなペットクリニック「恋」シリーズ第5弾。


 今回は前作「これが恋というものだから」の主人公・一獅の兄である杉原の恋話。妃川さんの筆なので、安心して読める。しかも、今回はシェパードのリッキーがオトコマエ! 主人公達よりも主人公らしいリッキーに脱帽した。主人公の杉原は前作で脇キャラでありながら汚れの部分を引き受けていたので、できれば幸せになってほしいと思っていた。院長と良い勝負ができそうなキャラ設定なので、全員が一堂に会したシーンを読んでみたいとも思う。

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2009.08.24

寝室には立ち入り禁止!

(榛名悠/みなみ遙/ルビー文庫)

保育士の真守は偶然、自分が勤める保育園の卒園生とその父親・柊一と再会する。喜ぶ親子とは対照的に、実はバツイチだけど優しくて魅力的な柊一のことが密かに好きだった真守は複雑な気分。でも、自宅に招かれた真守は柊一の家事音痴ぶりを見て、今までとのギャップに更にトキめいてしまう。これ以上好きになるわけには…と思って、早々に帰ろうとしたけれど「今日はお泊まりしていきませんか?」と柊一に甘く囁かれ、子供もいるのになんと一緒のベッドに寝ることになり…!?


それなりに楽しめた1冊。


 みなみ遙さんのイラストがついた本は、過去あまり相性が良くなかったが、今回は何とかクリア。あらすじを読んで買ったものの、ほぼひと月積読していたのはロリショタの脅威にさらされていたから。…ま、予想が外れてホッとしたのだが(笑) このシリーズはさくらおか保育園の「保育士」絡みの恋話で一冊完結シリーズ。本冊で3冊目(らしい)。保育園の保護者と保育士、しかも、子どもの年齢その他諸々、この瞬間でしか芽生えない恋愛だなあ、と頷いた1冊だった。

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2009.03.04

魅惑的なキスの魔法

(日生水貴/あさとえいり/角川ルビー文庫)


田舎育ちで元気が取り柄の遠藤天志は、世界的な写真家である父の薦めで都内の服飾専門学校へ進学することに。早速学校見学に行くと、そこで行われていた野外ファッションショーのリハーサルで、なんと憧れのモデル・葛城京に遭遇。あまりの格好良さにうっとり見とれていると、何故か天志を見つめる京に舞台へと引っ張られキスされそうになってしまう。とっさに京の顔をひっぱたいて逃げた天志だけど、その後、何故か京の付き人に指名されて…!?


 寝る前に読もうと思いつつ、途中でうっかり寝てしまったので2日かけて読了。設定はおもしろいと思うが、ストーリー的にかなり消化不良。BLの恋愛部分だけをなんとか終わらせた感じで、その他諸々が放置プレイ。美味しい伏線とか伏線とか伏線とかあったんだけど!? …とツッコみたい部分はほぼスルー。…つづくのか?つづくんだよね!? …と叫びたい位のモヤッと感は近年稀に見る感覚かも。辛口テイストでGO!!

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2008.09.01

愛人協定

(妃川螢/実相寺紫子/リンクスロマンス)


父親が亡くなり、叔父に全てを奪われた玲瓏な美貌の蘭堂瑠青。家族の思い出の場所であるホテル青蘭だけでも取り戻そうと考えた瑠青は、元総会屋で金融業を営む高蔵庚史郎に借金を申し込んだ。担保は己の身体、ただ一つ。瑠青の不遜な態度に呆れながらも、高蔵は資金を提供してくれた。以来、趣味が悪く乱暴な品行の高蔵に瑠青は辟易しながら愛人生活を送っていた。
しかし、予想外な彼の優しさを垣間見、瑠青は心を揺れ動かされていくが…。


妃川さんらしい1冊。

 溺愛系のヤクザを描かせたら最もツボにハマる描き方をされるので、「妃川+実相寺」タッグでキャラ設定がヤクザの本はできるだけ読むようにしている。妃川本はドラマを観てるように話が進み、主人公は大抵ツンデレ美人で一筋縄ではいかないキャラが多い(と思う)。…となると、相手役はワンコ類オオカミ型(目?)か、肉食系猛獣類かという感じなのだが、こういう話が好きな人には、どちらが相手役でもノリノリで読めることは間違いない(笑)

 来月以降リーフの作品が纏めて新装再版されるので、これも楽しみ。

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2005.08.23

ただ一人の男

(火崎勇/亜樹良のりかず/ショコラノベルズ)

幼い頃のトラウマから、人間を『もの』としか見ることができなくなった如月巳波。
そんな彼が悪夢で目覚めた朝に求めるものは、同居人である尾崎一雅の肉体の熱だった。父親から受け継いだ組を解散し、今は不動産会社を経営する元極道の尾崎は、成熟した雄の魅力を全て持ち、男女構わずベッドに連れ込むような男だが、如月に対してセックスを求めることはなく、そして如月も、尾崎の熱が悪夢に凍える自分を溶かしてくれはするものの、それ以上の関係を結ぶつもりはなかった。・・・そう、尾崎を『人間』として認識してしまったあの日までは――。



読後の感触は意外にマイルドだったが、ボディブローのようにじわりじわりと心に効いてくるストーリーだったようだ。なにせブログ用に用意していた別の本を凌駕する勢いで、どうしてもこの本の感想を吐き出してしまわなければ落ち着かないという事態に陥ったのだから。どういうことかというと、別の本の感想を書き出しても、どういうわけか『ただ一人の男』の記事になってしまうのだ。うーん。不思議というか不可思議だよ。ったく。…仕方ないので、読んでから数週間経っているが記事を書いてみることにした。

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2005.05.31

まだ愛に届かない

(火崎 勇/麻生 海/角川ルビー文庫)

酔った勢いで会社の後輩・千谷と一夜の過ちを犯してしまった鷺沼。それから数ヶ月、「好きだから、抱きたい」という千谷に「遊びなら」と応え、身体の関係を続けている。抱かれる度に千谷に溺れていく自分を自覚しつつも、鷺沼は決して千谷に「好き」と告げることが出来ない事情があった。そんなある日、自分とは正反対の「可愛くて素直」な男が千谷を好きだと言い出して・・・?


すごく普通の恋愛話だなぁ、というのが一読後の感想。
もちろん悪い意味ではなく、ストーリー自体もありがちに奇を衒わず恋愛だけを追っており、なんとも新鮮な印象を受けた。最近の火崎勇さんの著書は理屈っぽいものが多かったので、新刊を買うかどうかでかなり迷っていたのだ。これは編集さんの功績なのかも(もちろん執筆は別として)。余韻の中で『恋愛は喜怒哀楽を味わうもの』だという充実感を感じられる1冊だった。

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2005.04.30

愛には愛で

(妃川螢/しおべり由生/アルルノベルズ)

天涯孤独で感情表現を忘れた美麗な青年・涓の前に、ある日弁護士の正彌が現れる。残された遺産の相続を冷ややかに拒否し、祖父の存在をも否定した涓は、突如態度を豹変させた正彌に組み伏せられてしまう。執拗な正彌の愛撫に身体は震え、初めて知る強烈な快感に戸惑う涓。そして、忘れていた感情を取り戻させようとする正彌に涓は……!?


最強の小学生!! …という言葉が頭を巡る。
主役のカップリングが脇キャラ小学生・徃磨に喰われかけているようなビジョンが浮かぶのは気のせいではない(と思う)。早くも大物の片鱗を見せている徃磨だからこそ、ハタチ過ぎればタダの人、とはいかないだろう。妃川作品だしね♪ 10年後にはふてぶてしくも良い男に育っていそうで将来有望。末恐ろしい7歳児……。でも、まぁ妃川さんのキャラだから、数年後には彼にも良いパートナー(♂)が見つかるでしょう。
……………。
…ッちゅーか、その話、読みてぇッ!! (絶叫)

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2005.03.26

Dr.ストップ-白衣の拘束-

(日向唯稀/水貴はすの/アルルノベルズ)

恋か仕事、どちらかをと感じた時、清麗な医師・清水谷は恋人の伊達を捨てて白衣を纏った。数年後、人気俳優となった伊達が不慮の事故で搬送された事から、二人は偶然再会する。生きる事に執着のない伊達に、治療の専念を求める代償として、清水谷は自ら性奴となった。以来、夜毎病室でなされる伊達の淫ら過ぎる要求が、清水谷の白衣を穢していく。だが、過去の憎しみをぶつけるかのように荒々しく清水谷を抱く伊達の瞳にはいまも清水谷への愛情が……?

人生の節目で道を違えた恋人たちの話。
道を違えたとは言っても嫌いで別れた訳ではないので、まぁ、その、精神的にはラブラブラブ話。苦手な人もいるだろうなと推察。読んでいてマリッジブルー的展開、と思ったのは私のせいではない(と思いたい)。 …というか、医師国家試験直前に俳優に転身するなど敵前逃亡(親不孝)としか思えないが、そこはボーイズなのでスルーすることに。いい男はどう転んでも成功するという見本なのか(何なのか)。それにしても日向さんの書く攻めキャラはパーフェクトな設定が多いなぁ、とちょっと苦笑。小説で書かれる設定は現実にはいない少ないことが多いので、「本の中の話」としては楽しめるかと。

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2005.03.12

緑なす丘に我らは歌う

(ひかわ玲子/上田信舟/パレット文庫)

世界における二つの強国、ラグージ共和国とスラムジ救国…しかし、最近のスラムジの専横には目に余るものがあった。ラゲージは、アスティヤほか六ケ国から或る。だが、アスティヤは他国と異なり、スラムジと同じく太陽の女神フゥジを奉じ、愛国心が特に強い。その軍の最精鋭が民の誇りかつ華であるヤンノレク騎士団だ。その中に、女神の預言の日に生まれた騎士団の導者候補三人、カイト、ラテーヌ、トレステンの幼なじみがいた。そしてついに、スラムジヘの共同蜂起に加わるべくヤンノレク騎士団が出陣する。三人にとっては初陣だ!誇り高き騎士たちの英雄譚、開幕!

【本文に間違いの指摘を受けてちょっと改稿】

えーッ! このイラストっておおや和美さんなの~!?
…というのが第一声だったが、おおや和美さんではなかった(!) 指摘してくれたJさんありがとうございました。 m(__)m ご指摘がなければ危うく放置するところでした…(汗) おおや和美さんといえば「タクミくん」シリーズなど透明感のある繊細なイラストが印象深いのだが、今回はなぜ勘違いしてしまったのか…。理由はあらすじのコピー元。記事を書く時はいつも、とある場所からあらすじその他をコピペしているのだが、そこの情報の間違いに気づかなかった訳で(読後なのに・照) はぁ~、恥かしかった!(笑) 初稿を読んでしまった人には申し訳ないのですが、イラストレーターさんは上田信舟さんですのでヨロシク。

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