ま行

2009.09.05

召喚師は男子寮に集う

(水澤なな/キリシマソウ/一迅社アイリス文庫)


退魔専門の組織『K/N』に入るため、全寮制の男子校に潜入したコレチカ。その学園では吸血鬼による連続殺人事件が起こっていた。容姿端麗・成績優秀・家柄も完璧なヴォルフラムの従者という設定で学園生活はスタート。
共に捜査を始めたものの、2人の意見はぶつかってばかりのうえ、同級生・先生・神父に生徒会長と容疑者はいっぱい!? そんな中、新たな犠牲者が…。大切な人を守りたいと願う時、秘められていた内なる力が目覚める!


 イラストに惹かれて購入。ゲーム系の本かと思ったら、ライトノベルとBLの中間のような? 編集部のブログによれば『カッコカワイイ イケメンたちが、吸血鬼による連続殺人に挑む学園退魔×ファンタジー』らしい。一迅社アイリス文庫は特にBLレーベルという訳ではないのでその手の表現が出てくるわけではないが、登場人物は♂オンリーなので、ソフトBLとして読むのもオツな感じ(笑)


 ↓この後ちょっと辛口なので注意。

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2009.02.21

朧月夜に、あいたい。

(真崎ひかる/宝井理人/ルチル文庫)


女の幽霊が出ると噂の公園。女装して悪ふざけに出かけた新名啓杜は、そこで「死んだ恋人に逢いに来た」らしい不思議な男と出逢う。ピアノの音に導かれてその男・相原広重と再会し、いつしか彼独特の優しさに惹かれていく啓杜。普段はピアノ好きな男子高校生として、朧月夜には彼の大切な女性のふりをして、繰り返し相原に逢いに行くけれど…。


 怒濤のようにBL本を読みながら、うっかり印象に残ってしまった感じの1冊。何しろ他の本の記事を書こうとしているのに、この本の印象が邪魔をするのだ。こういう本に出会った時は、感想を吐き出さない限り次へ進めない。大してインパクトのある本でもないと思って放置していたが、この所業(本に絡まれたような)。読書アンテナに引っかかる何かがあるんだろう…と諦めつつザッと再読した(内容すら朧気。静かな話が読みたいときに。

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2008.11.26

パラダイスより不思議

(松前侑里/麻々原絵里依/ディアプラス文庫)

恋人に裏切られ自殺を図った悠。しかし飛び降りる直前に栄養失調で倒れていたところを、仕事中のペット探偵・貴広に拾われる。貴広は動物の言葉がわかるらしい。飼い猫の口から一文無しである事情を知られてしまった悠は、貴広の世話になることに。だが貴広は動物の気持ちには敏いくせに、人間には無愛想この上ない。それでも共に過ごすうちに悠は彼の不器用な優しさに惹かれてゆき……。


 主人公は悠と貴広なのに、心に残ったのは悠の飼い猫・ソラだった。もちろん、動物と話せるという大好きな設定なのでストーリーも楽しめたのだが、時間が経っても記憶に残ったキャラはソラだけ。理由は多分、ソラが主人公である悠の過去と未来を繋ぐ存在で、ソラが幸せなら主人公も連動して幸せというイメージがあるからかもしれない。なんならソラが主人公でも… 中でも、連れ戻されたソラのイラストが印象的だった。1枚のイラストで印象が変わるファンタジックな世界には、麻々原絵里依さんの無機質なイラストが良く合っていたように思う。やさしいお話を読みたいときにオススメの1冊。

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2008.08.21

おいしい生活

(森本あき/祐也/ダリア文庫)

大学合格を機に上京してきた千風は、住む家が決まるまで従兄でホストの踊馬の家にお世話になることに。都会の色んなことに素直に驚く千風をからかって遊ぶ踊馬。女ったらしでいいかげんで、意地悪ばかり言う踊馬と言い合いが絶えない毎日だが、時折見せる優しさや真面目な踊馬の一面になぜか千風の胸は高鳴り!?
そんな自分を認めたくない千風だが――…。
甘いラブロマンス☆


 短時間でサクッと読めるのだが、読後はちょっと物足りない。設定は、攻めキャラがホストで受けキャラが田舎から出てきた純真少年…という、よくあるもの。ベタな展開を期待して読んでいた自分も悪いのだが、印象的だったのは千風の物知らずなところ位だろうか。森本さんが好きな人は楽しく読めるのだろうが、個人的にはちょっと不完全燃焼だった。登場人物が少なすぎるし、キャラに動きがなさ過ぎる。

 貸してくれた友人には申し訳ない限りだった…。

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2008.04.10

妖玄坂不動さん

(ももちまゆ/鮎味/ウィングス文庫)

時は現代、場所は渋谷。道玄坂にある坂上不動産は、両親を早くに亡くした姉弟が経営する、一見なんの変哲もない不動産屋だ。だが実は―高校生の弟・陽介には不思議な力があり、姉・満留は少女の姿のまま成長を止めている。そのうえ、従業員は『陽介大好き!』なイケメン座敷童・幸と、無口でクールなカマイタチ・桐で…!?陰と陽のエネルギー渦巻く渋谷を舞台におくる妖怪事件簿!

妖怪+BLときたらおもしろくないハズがないッ!!

 と衝動的に購入を決めたのだが、これは本当におもしろかった

元は携帯配信小説だったらしいが、あの狭い画面の中で改行に次ぐ改行、ひらがなも多く短めの小説は私の最もも苦手とするところ。まったく縁がなかったのだが、ここにきて文庫出版されてこの本に出会えた。機能的にも未だに携帯小説に縁がないので、講談社WHのガールズサイトの番外編も読みたいけど読めない…(ゆゆしき問題なのだ)

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2008.04.06

舞姫恋風伝

(深山くのえ/藤間麗/小学館ルルル文庫)

明るい愛鈴は帝たちのために舞う妓女見習い。不作の年に家族の生活を助けるため売られてきた。月の輝くある夜、太子殿下の慧俊に出会う。慧俊は帝の後継者争いに巻き込まれていて。一方愛鈴は、貴族出身の妓女仲間にこき使われる毎日。そんな二人はやがて運命の激流に巻き込まれていく。愛鈴が幻の舞「雪月梅花」を慧俊のために舞ったそのとき…!!

ときめきのドラマチック・ロマンファンタジー!!

…という煽りによろめいた訳ではなく、この本は友人から「おもしろいよ」と送られてきた1冊(全3冊)。BLではなく、ノーマル。この著者は小学館からしか本を出していないが、パレット文庫でBLも書いていたのでてっきりそっちの人だとばかり…

しかし、このキラキラしたキャッチコピーとは裏腹に、著者は中々冷静な時代物を綴るという印象がある。この本も例外ではなく、読み終わった後、降り積もる雪の中に独り立っていたような気分に襲われた。え?正直に寒いと言え? まあ、寒いんだけど、物語は普通の恋愛モノなのに、読み終えると冷え切ってしまう印象は本当に摩訶不思議。

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2006.10.14

こんな、せつない嘘

(松幸かほ/実相寺紫子/アルルノベルズ)

天涯孤独の安藤夏は双子のようにそっくりな親友・拓実の身代わりとして、拓実の異母兄で一条寺財閥後継者・恭一と同居することに。昔たった一度会ったことのある恭一を思い続けていた夏は、「拓実としてでもいいから一目会いたい」と胸を高鳴らせていた。しかし再会した恭一から与えられたのは「拓実」への憎しみをぶつけるような荒々しい陵辱で……!!

イラストレーター繋がりで1冊。

身代わりモノが好きな人にはたまらない話なのだろうが、ストーリー構成のバランスが悪かったような。これは1冊では終わらない本なのだろうか(と言ってみる)。いっそのこと、編集に頼み込んで二段組みの本にしてもらったら、ちらほら見られた伏線(?)や小道具も使い切れたんじゃないだろうか。前半は勢いがあっておもしろかったのに、恭一にバレたあたりから失速していくのが本当に残念な話だった

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2005.08.27

淋しがりやのエゴイスト

(真崎ひかる/水名瀬雅良/アクアノベルズ)

駆けだしインテリアデザイナーの深波に、指名でデザイン依頼が入った。はりきって打ち合わせ出掛けた深波の前に現れたホテルオーナー・朝倉は壮絶に艶っぽい男で、その色気に深波はドギマギしっぱなし。その上、聞かされた依頼内容は、ホテルはホテルでも…なんていうかラブホテルのデザインで…!!!その手の場所に免疫のない深波を気づかってか、朝倉はホテルの部屋を案内をしてくれると言うけど、ベッドの使い心地まで試す必要有りなの。


ラブホテルを扱っているにしては爽やかな読後感。きっちり新書の分量と内容なのだが、なんとなくコミックスを読んだ後のような印象が残る。設定は結構ヘヴィだと思うが。。。全編に流れるこの悩みのなさやライトなスタイリッシュ感はやはりキャラ達が明るく前向きで、何事も気にしない部分に依るものか。イラスト効果も高いだろう。別のイラストレータさんだったらどういう読後感が得られるのか興味あるなぁ。…何となくボーイズ新書版にはちょっと珍しい感触の本なのであえて取り上げてみることに。

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2005.07.29

偽装愛人

(水月真兎/桜遼/アルルノベルズ)

天才俳優ともてはやされた烏丸四音は、自動車事故を起こし渋滞のまま失踪する。その五年後、四音は突然、大学講師・曽根崎の元に転がり込んでくる。四音は怪しげな愛人代行屋『オフィスGIGA』をはじめるが……。そんな四音は曽根崎に、「おまえへの想いを抑えきれない」と十年近くの想いを、濃密に絡みつく愛撫で翻弄されて……!!!


主人公・四音ほど『愛人』の言葉が似合うキャラはいないな…と頷いてしまった。読後、タイトルについてちょっと悩んだが、アルルのHPで読める後日談SSを読んで何となく全体の流れが捉えられた気分で納得。なるほどくんとなる。毎度のことながら、水月真兎さんの本はドラマティックでエロティック。今回の本も、例に漏れず攻めキャラが受けキャラをこれでもかというほど甘やかしているが、ちょっと大人テイストなのでちょうどいい甘さかも。主人公たちの才能を考えるとこのままでは終わらないような気もするし、その他いろいろ伏線が張ってあるようにも読みとれたので続編を楽しみに待つことに。

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2005.07.04

True Love

(美樹静/香雨/花丸ノベルズ)

親友を失い真冬の街を彷徨っていた、生真面目な大学生の浅川克巳は、繁華街からはずれた場所にある一軒のバーに、ふらりと足を踏み入れる。落ち着いた雰囲気のごく普通のバーだが、月に一度の「男性だけ」のパーティが開かれていた。経営者の日暮という男に紹介され、年上の紡木恭一と出会った克巳は、なぜか素直に自分のことを話して…。バーを訪れる個性的で淋しがりやな男たちとの恋を描く、ロマンス連作。


テーマは『普通の恋愛モノ』らしいが、しっとりとした筆調が叙情的で大人の恋愛物語を感じさせる。どちらかといえばJUNE寄りのお話で、行間を読ませる…というか文中の間合いが美しい物語だった。好き嫌いはあるだろうが、直球ストレートの言葉を多用し、展開もわかりやすいボーイズ本よりはよほど読みごたえがある。そして物語を多面的に読むことができる構成なので、単純明快なボーイズに飽きた読者にお勧めの1冊だと思う。久々に味わい深い本に出会ったような気分。。。

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2005.06.02

スキャンダラスなプチキャット

『スキャンダラスなプチキャット』   (水月真兎/織田涼歌/花丸文庫)

私立聖鵬学園高等部2年A組の藍川奏には、クラスメイトに隠している秘密があった。それは、叔父の芸能プロダクションでAVアイドルとして活躍していることだ。中学生の時レイプされた影響で心身ともに傷ついた奏だが、叔父のおかげで元気になり、その流れでデビューしてしまったのだ。今ではAVの仕事も楽しんでいるが、未だに心の中の空白が埋まらない。そんな奏の気になる相手とは・・・!?


さすがの水月真兎さん。文庫にするには惜しいくらいのおもしろさだった。
水月さんの高校生同士の恋愛なんてすごく久しぶりに読む感じ。しかも、ヤラレタッ! って感じの展開(特にラスト)が後味の良い読後感を演出している。当初、書店で裏のあらすじだけ読むと『イマイチかな…』と思ったが、まさに身体を張った主人公で、まだ学生なんだよね…と末恐ろしいものを感じ取ってみたり。可愛くて恐い生き物って魅力的だよね…?

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2005.05.25

バーテンダーに愛の囁きを

(森本あき/南天佑/アクアノベルズ)

新米バーテンダーの広海が、心待ちにしているお客様。彼はいつもきれいな女性と一緒にやって来て、とても楽しそうに過ごしている。ところが、今夜はなぜか一人でお店に現れた。広海は緊張しまくりで飲み物を出すだけで緊張バクバク!その上、彼が親しげに「広海・・・」なんて話し掛けてきたから、もう大変!!


オークラさんの新刊から1冊。
本の裏側に載っている「あらすじ」に惹かれて購入したが、意外とスタンダードな直球の話でビックリした。こういう話には必ず一癖あるキャラが登場するのがパターン。…ってことで、キャラを思い浮かべながらアタリをつけていたら やっぱりこの人か! …と、ちょっとニヤリな感じで真相がわかることに。お陰で主人公カップルよりそっちの方が気になって気になって…!(笑) 

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2005.03.10

天の階 竜天女伝

 (森崎朝香/由羅カイリ/ホワイトハート)

乾(けん)王朝炯明(けいめい)帝は、男児を授からず、苦悶(くもん)の日々を送っていた。が、ある日、「満月の晩、星が流れた時に生まれた女子が、必ずや次代の皇帝を産む」と仙人から告げられる。やがて、国中から集められた娘は10人――才色兼備の娘、それを妬(ねた)む娘、母を案じて泣く娘、はたまた読書好きの娘等々。後宮では、皇帝の寵を競う物語が! そして、もう1人、【竜】の宿命を負った娘がいた……。彼女達が辿る道程は、幸福へと続くのだろうか!?

男女モノの異世界ファンタジー。
一読して………仙人がすべての元凶なのでは? と激しく思う。早い話、1冊の本の中に2つの流れがあって、ひとつは世継ぎを産むと予言される竜天女は誰か?という本流。これがページの半分以上を占めるが(人数が多いから?)、女性の妬心を幾つか描いている割に悪役が生まれなかったのがちょっと物足りない。…まぁ、とにかく民間に語り継がれていくという「竜天女伝」の元となる話だ。そして、本流の傍らで仙人に不気味な託宣をされた上「呪われた娘」という異名を噂される娘の話が語られる。これは傍流のように見せかけて、語られることのないもうひとつの「竜天女伝」。この両方の予言に最初から関わるのがひとりの仙人なので、実は彼の真意が一番知りたいのだった…。

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